北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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今日の夕刊の一面にこの記事を見つけた時は驚きました。
このご時世にプルサーマル用のMOX燃料の発注可申請を出して、経産省から許可が下りればフランスで燃料を加工して予定通り来春の操業開始を目指すそうです。
プルサーマルについて再三ですがおさらいします。
ウラン燃料を使用する通常の原子炉でウランとプルトニウムを混ぜたMOX燃料を燃やして発電するのがプルサーマル発電です。
何が危険かというと、ウランよりもはるかに毒性が強いプルトニウム(※微量の粒子が肺に入っただけで肺がんになり死に至ります。かつてその猛烈な毒性から角砂糖五個分で人類を絶滅させることが出来ると言われていました。)を使用しているためです。
その猛烈な毒性の強さから取り扱いには絶対の安全性が求められるほかに、運転中においてもウラン単独の燃料より不安定になりやすいため制御が難しいと言われています。
そして一度制御を失うと暴走(再臨界)しやすく事故が起きた場合のリスクとハードルが飛躍的に高まります。
プルサーマルがガソリンでストーブを焚くようなものと比喩される所以です。
(※福島3号機のプルサーマル発電でした。1号機の水素爆発に比べ規模が大きく様子も異なった3号機の爆発は実は使用済み燃料から発した核爆発だったという説があります。通常の水素爆発だけでは生じない放射性物質が検出されたり、原発から数km離れた地点でプルトニウムの破片が見つかったりしています。政府や東電はこのことについて未だ公式な発表をしていませんが、いずれ時間と共に明らかになってくるはずです。)
参考動画1 参考動画2
そして、そこまでの危険を冒してまでプルサーマル発電を行う経済的メリットは実は何も存在しません。
日本中の原発から出た核のゴミであるプルトニウムが一時的に集められている場所が六ヶ所村ですが、そこは一時的な保管場所であって最終的な処分地ではありません。
日本各地で原発が稼働してから数十年、その間出続けてきた膨大な量のプルトニウムが在庫として溜まり続け、それは今なお増え続けているわけです。
かつて北海道の幌延町や高知県の東洋町などが最終処分場候補地にあがった自治体もありましたが、どこも住民の反対で撤回されました。
誰もそんな(史上最悪の)ヤバイ物質を自分の住んでいる場所に持ってこられて寝食を共にしたくはないですよね。
そのたまり続ける核のゴミを何とかするためにフランスの原発大手に加工を依頼して再利用することで何とか埋め合わせをしようとしているのがプルサーマルです。
利益が出るどころかかえって費用がかさんで赤字になるプルサーマルを電力各社がこぞってやりたがる理由は、それをやらなければ大量のプルトニウムが行き場を無くして各原発の敷地内に核のゴミのヤマが出来てしまうからです。
(※福島の4号機のプールは他の号機の使用済み燃料も含めて大量に保管されていたようで、今それが安全に維持できるかが最大の焦点らしいです。核のゴミのヤマに地震と津波が直撃した場合どうなるかといった懸念が現実に進行している真最中です。)
プルトニウムの半減期は2万4千年ですから、それらを安全に維持管理するには莫大なコストと半永久的な時間がかかります。そのゴミが増え続けて負担できる費用を超えてしまえば原子力発電はもはや事業として成り立たなくなりますね。
ではそういった問題を全く見通さないまま原発を利用し続けてきたかというとそうではないようです。
そういった核のゴミ問題を一挙に解決するために計画されてきたのが高速増殖炉です。
高速増殖炉はプルトニウムを燃料にして発電します。運転後に最初に使った燃料以上のプルトニウムを取り出すことが可能で、それを再び燃料として利用できる夢の発電所と言われてきました。
その実用段階の試験を行うために建設されたのが福井県の敦賀市にある高速増殖炉もんじゅです。
ところが、これは夢の発電所どころか悪夢の発電所と呼んだ方が相応しい代物です。
もんじゅは度重なる重大事故を起こして現在は運転も停止も出来ない状態に陥っています。
それらについての詳しい内容は後日、別記事で取り上げようと思っています。
何度も計画が失敗して実用化のめどの立たない高速増殖炉に変わって、プルトニウム在庫処分の苦肉の策として登場したのがプルサーマル計画でした。
つい最近、東電がメルトダウンを認めましたがこれは事故直後から外部の専門家が予測していたとおりの内容です。
そして、それが意味するところは原子炉内で溶けた核燃料と水が反応することで水蒸気爆発が起こるかもしれないということです。
それが起きてしまうと再び大量の放射性物質が東日本全体にばらまかれるということです。
そんな現実がある最中でプルサーマルをあえて推進しようとする北電や道はもはや正気の沙汰とは思えません。
おそらく、高橋知事をはじめ道の責任者たちもこれまで自分たちが音頭を取ってきた手前はっきりNoという勇気がないのでしょうね。
こうなれば政府や経産省が却下してくれることを期待するしかありませんが、もしそうならないのであればこの国は原発と共に心中する気なんじゃないかとさえ思ってしまいます。
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誕生日:
1982/05/07
職業:
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趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。
発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。
写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s
「目指す場所があるからいつだって頑張れる!」
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