北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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昨日の夜9時55分ごろ釧路発札幌行きスーパーおおぞら14号が石勝線占冠~新夕張間で脱線し第一ニニウトンネル内で緊急停車、その後火災が発生し全焼するという大事故が発生してしまいました。
幸いにも乗員乗客は全員避難して重傷者がでてしまたものの全員命に別状がないという結果に胸をなで下ろしています。
事故原因は現在調査中とのことですが、後ろから2両目の車両の後部台車1軸目が脱輪して事故に至ったそうです。
「振り子式」特有の構造が起因するのではないかと予測する新聞記事もありましたが、キハ283系特有の自己操舵装置付き振り子台車の車軸の取り付け位置が可動するという特殊な構造を考えると、その可能性は十分にあり得ることのように思えます。
これがその自己操舵装置付き振り子台車です。見た感じからして複雑な構造であることがうかがえます。
簡単に説明すると、通常の振り子に加えてカーブ走行時に自動車の前輪のように車軸が内側を向くようにステアリングするような機能がついたものです。
これまでも実際にキハ283系を使用した列車においてブレーキ系統の故障による運休が頻発していましたし、中にはブレーキが解除されないまま走行して白煙を上げつつ破損したという事故もありました。
まだ事故の直接の原因は解明されていないので推測の域を出ませんが、いずれにしてもこれ以上重大な事故が起きないように安全管理を徹底してほしいと一ファンとして切に思います。
追記) 事故現場2km手前で3号車の推進軸が脱落していたことが判明。 参考リンク
それにしても今回の事故の状況をつぶさに観察すると、幸運な偶然が重なったことにより被害が最小限ですんだ、すこし大袈裟に言えば奇跡的な事故だったと思います。
まず脱線した区間ですが、急峻な山岳地帯をいくつもの長大なトンネルで貫いている区間のうちで、比較的短い600m程度のトンネル内で停車出来たことが上げられます。これによって乗客は300mほどの距離を歩くだけで脱出することに成功しました。
通常、トンネル走行中に異常が生じた場合、火災などが起こった際の逃げ道の確保から、トンネルを抜け切るまで走行してから停車することが望ましいと言われていますが、今回事故で停車した第一ニニウトンネルを抜けたわずか100mほど先に長大な新登川トンネル(5,825m)が控えています。
もし第一ニニウトンネルを抜けるまで走行していたら、すぐに全長6km近い新登川トンネルに進入してしまい、しかも脱輪して火災を起こしたのは後部3両で前部から脱出するしかないことを考えると、数kmの距離を煙に巻かれながら脱出するのは、ほぼ不可能に近いことだったのではないかと思います。
もう一つ上げられる被害を防いだ要因は、当初、常務員からの指示がなかったにもかかわらず乗客が自分たちの判断ですばやく避難できたことがあります。
乗務員の指示によらず自己判断で行動することは、場合によってはかえって危険性を増すことにもなりかねない行為なのでケース・バイ・ケースだと思いますが、いざ自分の命がかかってくるとなると判断せざるおえない状況だったと思います。
★
2003年に韓国の大邱市の地下鉄が放火されて200名近い人たちが犠牲になる大惨事がありましたが、このときに常務員からの避難指示は特に出されなかったことが被害を拡大する要因になりました。
後の調査によると、火災発生直後に自分の判断で避難した人は全体のうちわずか6%だったそうです。
残りの人たちは指示が無かったことから煙が充満する車内にそのまま止まり続けて、やがて身の危険を感じて逃げた人を除いて、その場で亡くなったそうです。
驚くことに、亡くなった方のほとんどは逃げ惑った形跡がほとんどなく、シートに着席した状態で発見されたそうです。
これは集団同調性バイアスという心理状態が作用した結果だそうで、あるとき突然、通常とは異なる危険が迫る状況になると、その危険に対する行動を自分で独自に判断するよりも、無意識のうちに周囲の人たちに同調することを優先して選択するように働いてしまうのだそうです。
先の大震災による大津波においても、沿岸部で事前に避難をはかった人たちは全体の3割にしか及ばず、残りの多くの人たちが逃げ遅れて被害が拡大したというデータがあります。
今回の脱線事故においては先の大震災による記憶が覚めやらぬうちだったためか、乗客全員の意識が指示によらず素早く避難する方へ向かったことが、結果的に大惨事に至らずにすんだ大きな要因になりました。
★
ここ数年JR北海道の管内において、大惨事に至りかねない重大な事故が頻発しているという異常な状態が続いています。
今回の事故は全くの偶然が重なり合って取り返しのつかない被害を免れましたが、もしそうでなければ福知山線の脱線事故を上回る最悪の鉄道事故になっていたことも十分に考えられます。
こういった事故が頻発し続けることは何らかの事前警告も含まれていると思います。
今後、北海道の鉄路において、ぬぐい去りようのない惨事の歴史を刻むことのないよう、JR北海道には抜本的な安全対策の見直しと組織改革を進めてほしいと思います。
PS)
長大なトンネルが連続する石勝線が開業した1981年当時、新型車両として登場したキハ183系初期車にはエンジンの自動消火装置が装備されていました。その後、民営化を挟んで導入されたキハ183系後期車から自動消火装置は省かれて、今回事故を起こしたキハ283系に至るまで装備されていません。今回の事故のようなケースで自動消火することが出来れば車両全焼という事態を避けることが出来たでしょうし乗客が避難する際にも煙に巻かれる度合いを弱めて時間を稼ぐことにもつながったのではないかと思います。床下に大量の軽油を積まなければならないディーゼル車にはこういった設備は必須なのではないでしょうか。高速化とコスト削減よりも安全を最優先することが重要だと思います。既存のディーゼル車にもこういった安全設備を完備するべきです。
まず脱線した区間ですが、急峻な山岳地帯をいくつもの長大なトンネルで貫いている区間のうちで、比較的短い600m程度のトンネル内で停車出来たことが上げられます。これによって乗客は300mほどの距離を歩くだけで脱出することに成功しました。
通常、トンネル走行中に異常が生じた場合、火災などが起こった際の逃げ道の確保から、トンネルを抜け切るまで走行してから停車することが望ましいと言われていますが、今回事故で停車した第一ニニウトンネルを抜けたわずか100mほど先に長大な新登川トンネル(5,825m)が控えています。
もし第一ニニウトンネルを抜けるまで走行していたら、すぐに全長6km近い新登川トンネルに進入してしまい、しかも脱輪して火災を起こしたのは後部3両で前部から脱出するしかないことを考えると、数kmの距離を煙に巻かれながら脱出するのは、ほぼ不可能に近いことだったのではないかと思います。
もう一つ上げられる被害を防いだ要因は、当初、常務員からの指示がなかったにもかかわらず乗客が自分たちの判断ですばやく避難できたことがあります。
乗務員の指示によらず自己判断で行動することは、場合によってはかえって危険性を増すことにもなりかねない行為なのでケース・バイ・ケースだと思いますが、いざ自分の命がかかってくるとなると判断せざるおえない状況だったと思います。
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2003年に韓国の大邱市の地下鉄が放火されて200名近い人たちが犠牲になる大惨事がありましたが、このときに常務員からの避難指示は特に出されなかったことが被害を拡大する要因になりました。
後の調査によると、火災発生直後に自分の判断で避難した人は全体のうちわずか6%だったそうです。
残りの人たちは指示が無かったことから煙が充満する車内にそのまま止まり続けて、やがて身の危険を感じて逃げた人を除いて、その場で亡くなったそうです。
驚くことに、亡くなった方のほとんどは逃げ惑った形跡がほとんどなく、シートに着席した状態で発見されたそうです。
これは集団同調性バイアスという心理状態が作用した結果だそうで、あるとき突然、通常とは異なる危険が迫る状況になると、その危険に対する行動を自分で独自に判断するよりも、無意識のうちに周囲の人たちに同調することを優先して選択するように働いてしまうのだそうです。
先の大震災による大津波においても、沿岸部で事前に避難をはかった人たちは全体の3割にしか及ばず、残りの多くの人たちが逃げ遅れて被害が拡大したというデータがあります。
今回の脱線事故においては先の大震災による記憶が覚めやらぬうちだったためか、乗客全員の意識が指示によらず素早く避難する方へ向かったことが、結果的に大惨事に至らずにすんだ大きな要因になりました。
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ここ数年JR北海道の管内において、大惨事に至りかねない重大な事故が頻発しているという異常な状態が続いています。
今回の事故は全くの偶然が重なり合って取り返しのつかない被害を免れましたが、もしそうでなければ福知山線の脱線事故を上回る最悪の鉄道事故になっていたことも十分に考えられます。
こういった事故が頻発し続けることは何らかの事前警告も含まれていると思います。
今後、北海道の鉄路において、ぬぐい去りようのない惨事の歴史を刻むことのないよう、JR北海道には抜本的な安全対策の見直しと組織改革を進めてほしいと思います。
PS)
長大なトンネルが連続する石勝線が開業した1981年当時、新型車両として登場したキハ183系初期車にはエンジンの自動消火装置が装備されていました。その後、民営化を挟んで導入されたキハ183系後期車から自動消火装置は省かれて、今回事故を起こしたキハ283系に至るまで装備されていません。今回の事故のようなケースで自動消火することが出来れば車両全焼という事態を避けることが出来たでしょうし乗客が避難する際にも煙に巻かれる度合いを弱めて時間を稼ぐことにもつながったのではないかと思います。床下に大量の軽油を積まなければならないディーゼル車にはこういった設備は必須なのではないでしょうか。高速化とコスト削減よりも安全を最優先することが重要だと思います。既存のディーゼル車にもこういった安全設備を完備するべきです。
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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。
発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。
写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s
「目指す場所があるからいつだって頑張れる!」
発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。
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