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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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今回の参院選も投票に行って来ました。

若者の投票率が落ち込んでいると言われていますが、たしかに、ぼくが投票に来た時間帯に来ていた有権者の方々は、高齢者ばかりで、自分以外に若者と呼べそうな人はほとんど見かけませんでした。

きちんと選挙に行くことが立派な行為だとまでは思いませんが、若い世代が政治や世の中のことについて、まるでリアリティを持てない現実は、後々に大きな問題につながっていくような気がします。




この文章を書いている時点で結果はすでに判明していますが、まあ、予想通りと言うか、当然の結果だと思いました。

ある人がネット上でつぶやいていましたが、民主党の政権運営は現実の課題を国民に対して、ある程度示すことは出来たが、あまりにも問題定義に偏りすぎて、国民にとって前向きになれるようなビジョンを示すことを怠りすぎたと分析されていました。

政治というものは現実よりも雰囲気が先行するものであり、ゆえに、具体的な政策よりもパフォーマンスが先行しがちなのは致し方のないことだと思われます。

その点では、戦後50年以上、一貫して政権を担い、今現在に至るまで良くも悪くも日本の世の中を形作ってきた自民党の手腕は、民主党はじめ他の政党よりも数段抜きん出たものであると言えそうです。

今回の選挙戦で民主党は相当追い込まれていたのか、家の近くを通り抜けていった選挙カーから聞こえてきたのは「国民は騙されている、騙されている」という、意味不明で半ば支離滅裂な連呼でした。

開票後の選挙特番で、自民党の小泉進次郎氏の選挙活動に密着した特集が組まれていましたが、その緻密に計算された演説技術に驚かされました。

それは、まさにプロの技術であり、進次郎氏の仕事と自分の役割に対する高い意識は並のものではありませんでした。

先の民主党候補の演説とは雲泥の差です。

民主党が野党として、自民党政権が行おうとしている政策の間違いを国民に伝えたい気持ちは解りますが、それならば、なおのこと、もっと分かりやすくきちんとした起承転結に基づいて解説すべきです。

よく国民の目線に立ってというスローガンを耳にしますが、その視点が本当の意味で備わっていないために、国民にとって分かり易い演説一つできないばかりか、大多数の国民の支持を失ったまま取り戻せない事態に陥っているように思われます。

なぜならば、逆風に立たされているどんな政党や政治家よりも、この国全体とそこで生きる一人ひとりのほうがずっと苦しい立場に置かされているからです。


今回の選挙の結果について、個人的には特別な感慨は何一つありません。


ただ、懸念される原発の再稼働や改憲の動き、そして、地元の北海道を始め、日本全国の地方経済にとっては死活問題に直結するTPP締結の動きが加速することだけが気がかりです。


TPPの締結によって関税が撤廃されるのみならず、国のあり方そのものまでグローバルスタンダードを受け入れることになりますが、そうなれば今までよりもはるかに厳しい競争社会の時代が到来します。

巷ではTPPの締結と円安によって輸出産業が活性化することで景気が上向き、地方の経済にも新たなチャンスが拡がると言われていますが、そんな夢の様なシナリオを描いて成功するのはほんの一握りで、大方の地方産業は目に見えて衰退していきます。

TPP締結によって事実上、関税が撤廃されることで最も打撃を被るのは、安い海外産食材の洪水に見舞われる農業などの一次産業品です。広い大地を有し農業が唯一の基幹産業である北海道は壊滅的な打撃を受けるでしょう。


にも関わらず、マスメディアは道産ブランドの輸出が新たなチャンスに繋がると大々的に報じていますが、たとえそういったブランド化と輸出で成功する事例が出たとしても、それは既存の農家の10件に1件出来るか出来ないかの割合で、残りの大多数の農家は波に乗れないまま衰退していくような状況に最悪の場合なってしまいます。


なぜ1割しか成功の見込みがないと予測できるのかというと、まず競争相手となる北米や中国、オーストラリアなどの大陸の農業と比べて、いくら北海道が日本で一番広い農地を有していようと、その規模の違いは歴然としていて価格で競争してもまったく勝負にならないからです。

さらに円安になったとはいえ、ドル、ユーロにつぐ準基軸通貨である円は世界的に超高級な通貨であることに変わりはなく、輸出生産コストの高さを抑えることはどうあがいても不可能に近いのは火を見るよりも明らかです。

そこで、道産品を高級ブランド化して単価を上げて輸出しようとなるわけですが、ブランド品だからといって注目されるのは一時で、いずれは世界各国の名産品と競争することを余儀なくされます。また、ブランド化商法は高級品として売るゆえに、大量に販売されることはないので、その中で成功の席を獲得できるのはごく僅かな生産者だけになります。

ゆえに新たな輸出需要に頼っても生産者の10件に1件も成功できないのではないかと予想されるのです。

ごく僅かな生産者だけが新たな成功者として名を連ねても、残りの大多数の生産者の生計が成り立たなくなれば、その地域の経済はやがて崩壊へ向かいます。

現在進行中のTPP参加交渉において、もしも万一、向こう側のグローバルな言い分を100%受け入れてしまえば、極端な言い方ですが北海道全体が夕張市のようになってしまうかもしれません。そしてそれは日本中の地方経済が大なり小なり直面する厳しい現実でもあります。

日本の危機的財政と合わせて今後の見通しは全く不透明と言わざるおえません。

アベノミクスで株価が急騰して景気が上向いたと報じられていますが、一方で国債の長期金利がじわりじわりと上昇傾向で不穏な傾向を示し始めていることはあまり報じられません。

長期金利が上昇するということは政府の借金の利払いが増えるということです。

税収が上がらない中、借金の利払いが増え続ければ、それだけ財政破綻の危機が現実味を帯びてきます。

選挙で大勝した安倍政権がそういった増大し続けるリスクを制御できるのか、これから正念場を迎えそうです。


(※こういった社会経済の現状についてこちらのブログの記事が詳しいです)


先日、アメリカ自動車産業の本拠地であるデトロイト市が日本円で1兆8千億円の巨額の負債を出して財政破綻したという衝撃的なニュースが世界中を駆け巡りましたが、すでに破綻前から相当ひどい状況でした。

ピーク時の人口180万人から一気に70万人まで減少し、財政破綻を受けたことでさらに人口が流出されると言われています。(※デトロイト市や他のアメリカの自治体の現状についての参考HPはこちら


こういった状況が近い将来の日本の姿であるとする指摘は残念ながら的を外していないと思われます。


最後にメディアや巷で言われていることの矛盾について言及して終わりにしたいと思います。


それはメディアの報道はその伝えている内容の正確な規模を正しく伝えていない場合があるということです。

先に触れた道産ブランド品輸出規模の兼ね合いについてもそうですが、その時、報道された内容だけを見ていると、あたかもそれだけで既存の産業の損失分も全てまかなえてしまえるように聞こえることです。

でも実際には、失われれる既存産業の規模のほうが新たに得られる輸出需要よりも比べ物にならないくらい大きいのです。

今の報道の仕方ではそこを冷静に判断できなくなる恐れをはらんでいるように思えます。

2010年末、韓国のヨンビョン島が突如、北朝鮮の砲撃を受けて壊滅的な被害を被ったという衝撃的なニュースが入りました。

その時、テレビで流された映像だけを見ると街は火の海になり、すぐに南北の全面戦争へ発展するのではと思えるほど緊迫した状況のように思えました。

ところが、後から砲撃事件を検証したサイトを見ると、実際に砲撃にあって火災になったのは街の一角の数件程度で、死傷者が出たとはいえ、全面的な戦闘に至るほどの状況ではありませんでした。

ところが、テレビで繰り返し流される緊迫した火災の映像だけを見ていると、まるで韓国全土が攻撃され、その余波がすぐに日本まで及ぶように思えてくるのです。

そういった冷静な判断を失った感覚が、もしも国中に拡がってパニックになれば、もとはほんの些細な小競り合いでも、いつのまにか全面的な戦争状態に突入していることも十分あり得ることです。

マスメディアの報道の仕方一つで、そういった錯覚を伴う情報を広めてしまうことになる上に、一部では都合の良いようにそういった錯覚を利用して大衆を誘導しようとする意図も大昔からあるものです。

平穏でハッピーなニュースと深刻でシリアスな現実のニュースの割合にしてもそうです。

正しく現実の有様を見極めるために、一人一人が知り得た情報や知識をバランス感覚を持った視線で判断し再構築しなければ、その物事の本当の全貌は見えて来ません。

今回の選挙が終わり、これから世の中全体が良いことも悪いことも含めて大きく変わっていくように思われます。

そういった変化の時代を生きていかなければならない一個人として、これから起こる出来事について、自分の頭でしっかり考えた上で冷静に判断できるように心がけていきたいと思います。



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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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