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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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今日の夕刊にタレントの島田紳助氏の価値観について言及したコラムが掲載されていました。


そのコラムを読んでみたのですが、これまであまり興味の無かった島田紳助氏の人生観と処世術の概要を知ることができました。



一言で言えば能力と才能に対して全面的に傾倒した勝ち組理論の典型でしたが、そこに前世から持ち越した才能と能力の有る無しによって、人はあらかじめ価値ある者とそうでない者が選別されているという、かなり極端な、ある意味では面白い考え方をした人だなぁ~と感心しました。


島田氏の持論によれば昨今の拡大する格差社会も能力と才能のある者にとっては、より低コストで人件費をまかなえることから大変望ましいことであり、また資本主義経済であるのだから当然の結果であるとのことです。


たしかに、バブル崩壊後に終身雇用と年功序列社会も一緒に崩壊し、世界経済のグローバル化による自由経済至上主義の社会では、島田氏が言うように能力才能があって勝つための強い意志と手段を有する者が主役であり、そういった勝ち組と呼ばれる人たちがこれまでの社会経済を引っ張ってきたことは事実ですから、この部分に限っては正しい言い分のように思えます。


でもその理屈がこれからも未来永劫にわたって唯一無二の正しい考え方だと自信を持って言えることなのかというと、それはおそらく出来ないだろうと言わざるおえません。



島田氏流の勝ち組理論がこれからも有効であるためには、第一に今の自由主義経済がこの先も発展しながら長きにわたって継続しなければなりません。


でもそれはもはや不可能な幻想になりつつあることが最近の様々なニュースを見ているだけで容易に理解できます。


日本の現状だけを見ても3.11の震災と原発事故が起きて以来さまざまな分野で莫大な損害が発生し、それは今も膨らみ続けています。


バブル崩壊後から20年間に膨らみ続けた政府と地方の借金は1,000兆円を超し、頼みの綱とされている国民の個人資産も減少していることから借金の総額の方が上回り始めています。


そして日本の国債の利率は1%前後で推移していますが、これがもし万一、何らかの出来事がきっかけで3~4%以上に跳ね上がった場合、毎年の借金の利払いだけで一年間の税収38兆円を上回りその時点で借金の支払いが不可能であることが確定し国家破綻します。(ギリシャはすでに20%を超えて破綻がほぼ確定していますしイタリアは今まさにこの類の危機に直面しています)


これだけ多くの借金を抱えた国が実際に破綻すると、あらゆる市場経済は正常に機能しなくなり、これまでの経営理論が全く通用しなくなるばかりで無く、国内において企業や国民が蓄えてきたあらゆる資産と共に現在の経済の仕組みその物が消えて無くなります。


そうなると島田氏の言う勝ち組の理論や勝ち組と称されている人たちの立場も多くが消えて無くなってしまうのです。



同じ黒い不祥事関連で分かりやすく例にすると、もし大相撲が興業として全く成り立たなくなったり廃止となっていた場合、横綱であれ大関であれ幕下であれ、その中で活躍している全ての力士とその関係者が職と立場を失っていたのです。


そのような結果にもはや勝ち組も負け組もないことは言うまでもありません、なぜなら勝ち負けを競い合う土俵そのものが無くなってしまうのですから。



たとえ不祥事と関係なくとも他のスポーツやテレビや芸能界も同様です。



そういった業界にスポンサーや観客が支払うお金が無くなればそこに関係する全ての人たちが職と立場をいったんは失うのです。


数年前まで国家破綻ということはあくまで可能性としてだけ考えられる机上の理論でしかないと受け止められてきましたが、今年に入ってからの世界中で起こる天災やめまぐるしい混乱の中で急速に現実味を帯びてきています。


それがある日突然、現実に起こってしまえば芸能界やプロスポーツのような特殊な分野に止まらず、社会における民間、公務員の分け隔てなくあらゆる分野に多大な衝撃と影響を及ぼすことは避けようのないことです。


それでもここでハッキリ言わなければならないことは、たとえその衝撃はこれまでの歴史上類を見ないほどのものであったとしても、この世の中その物が消えて無くなったり崩壊してしまうことではありません。


今までの社会の枠組みや常識はことごとく崩れ去って消えてゆくでしょうが、その跡から今までとは全く違ったルールと枠組みに則った新しい社会が再び築き上げられて行くのです。



衣食住など人が生きていくために必要不可欠な分野や社会を維持するための分野は(多少の不便と混乱が生じても)おそらくほとんどこれまでと変わらないでしょう。


その一方で、これまでの古い枠組みの中においてどれほど高い価値が見いだされていようとも、新しい時代にその必要性を見いだせない分野は容赦なく淘汰されていきます。


そして古い枠組みが完全に去ったのち、新たな基準とルールに基づいた競争と進化が再び始まります。


それは島田氏の持論も含むあらゆる弱肉強食的勝ち組理論とも矛盾しないものであり、歴史上幾度となく繰り返してきたサイクルといえるものです。



その勝ち組理論における倫理性の如何についてはさておき、島田氏流の人生観と方法論には足りなかった視点が一つあります。



それは、社会において勝つための強い意思とそれを実現するための方法を身につけるために努力することに加えて、そうすることで勝者となり栄誉と繁栄を手にすることを可能としてくれるこの社会の仕組みと、その根本の成り立ちについて理解しようとする視点です。


その視点に立った上で、この社会において努力して競争に勝つことで名誉と繁栄を手にすることができる本当の理由を知ることができれば、それを可能とする期間とそこで獲得した繁栄は有限であってそれは長くは続かないことをハッキリ覚ることができます。



さらに理解が進めばスピリチュアルな哲学についてもその根本にあるものが調和であって選ばれし者の選別などではないことを覚ることができるはずです。



これからは勝ち組も負け組も存在しません。


ただ一人、自分自身と向き合って乗り越えられるかどうかの勝負があるだけです。


すでにこれまでの競争ゲームをやっている場合ではないほど厳しい環境を生きなければならない時代に入っています。



そんなこれからの時代に必要とされるのはどんな能力才能にもまして、異なった価値観、個性、生き方、在り方を的確に理解する能力とその上で相手を思いやる真の優しさです。


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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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