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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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先日の総選挙は予想通り自民の圧勝で決まりました。


でも、同じ自民が勝つにしても、もう少しバランスのとれた結果にならなかったものかと思うこともあります。


BSニュースで今回の日本の選挙の結果について、つい3年前に50年続いた自民党政権が交代したばかりなのに最早もとの政権に戻るのはどうなのか?と外国人のアナリストが疑問符を投げかけているのを見ましたが、個人的にも共感できるところがあります。


また同じような感想を昨日の夕方の地元ニュースのインタビューで答えている有権者の方もいました。


自民がこれほど圧勝したからといって、国民の大多数が支持したわけではないということを検証しているブロガーさんもネット上では多く見かけます。


その中で、分り易く簡潔に数字を上げて検証している方の記事を紹介します(リンク)


この方の記事によると、有権者全体の3割にも満たない支持率で政権を獲得したことになります。


こういった結果になったのは(以前から違憲状態と指摘されている)小選挙区比例代表制のアンバランスによるところが大きいと思われますが、戦後最低を記録した投票率の低さも拍車をかけているようです。


いずれにしても、今のご時世における見通しの悪さと決められなさを反映した民意の結果と言えそうです。


改めて今回の結果について思考を巡らせると、単に民主党政権の3年間の体たらくが悪すぎたから、それじゃあ自民党政権に戻せばかつてのような良い時代が来るとか、そこまで期待できなくても今よりもマシな状況に改善できるのではといった期待感が強まっていたとすれば(心情的には理解できますが)個々の複雑な実情を考えると、その単純すぎる期待感の後ろに危うさの影が潜んでいないか心配な気がします。


なぜそのような懸念を抱いてしまうのかというと、一部で言われているような”人からコンクリートへの逆行”と揶揄されるほど極端な時代退行が行われることはさすがにないとしても、今回の選挙で掲げられていた自民党を始め各党の政策の中に今の状況を本当に打破できると思える内容がほとんど見当たらなかったからです。


脱原発は将来の日本にとって最も重要な課題ですが、その本当の論点は安全か否かではなく、今後も原発を運転するにしても停止するにしても生じる、長期に渡る莫大なコストをどう負担するかです。


原発は福島第一の事故によって安全に維持するためには、それ以前に比べてはるかに多くのコストを負担しなければならないことが確定しました。その長期に渡る避けがたいコストの負担方法は結局は電気料金の値上げか税金投入しかないでしょう。

諸外国はそういった日本の置かれている状況を他山の石として学び、一斉に脱原発か減原発の方向に舵を切っています。

いずれ原発に変わる効率的な発電システムが確立されて普及すれば、原発は完全に時代遅れの代物になり、いつまでも消えない危険性と維持費だけがかさむ負の遺産になることは明らかです。

今、積極的に原発を推進して恩恵を当てにしている地域も遠からず斜陽産業に落ちていくことを考慮すべき時期だと言えます。

しかし、そういった現実的な諸門題について、脱原発派や推進派の双方の候補者から積極的な発言は聞かれませんでした。



原発問題が将来に渡る長期的な最重要課題だとすると、今、現時点で一番重要な課題は長引く不景気と雇用難だと思います。


こういった経済情勢についての込み入った深い情勢はすべて省いて専門の方の弁に委ねるとして、原因と結論だけをぼくら素人B層でも理解できる範囲でできるだけ簡潔に述べてみたいと思います。

まず、ぶっちゃけた話、雇用を回復するために一番カンタン確実な方法は、国内の衣食住に必要な品々を半分でもいいから輸入や大手企業による生産から地域の零細中小企業に委ねるようにしてしまえば良いです。

ようは国内の産業を1980年台の水準とバランスに戻せばリッチでなくとも最低限の雇用と生活が維持されるという話ですが、それはグローバル市場経済の時代に反するため無理な話だとするのがつい最近までの常識でした。

ところが、世界を見渡せばそのグローバル市場が急速に縮小に向かっており、その流れを受けて日本と同じように国内の雇用難と長期の不況に苦しむアメリカやイギリスといった老舗の経済大国が、安い中国製品の輸入に頼らず自国内生産に回帰する運動が今盛んに行われています。

日本も先端技術による高度で特殊な産業ではなく、よりローカルで生活に密着した産業から順次国内生産に回帰させることで地方の景気も雇用も上向いてくるはずです。(たとえ世界に誇る最先端技がいくつも揃っていたとしても、それらの特殊な産業の需要は生活に直接関わる産業に比べてはるかに小さく、ゆえに国内の景気を底上げして国民の生活を向上させるほどの効果は期待できません)



生産だけではなく流通や小売の分野でも同様のことが言えます。


小売産業において20年以上前から起こった大きな変化は、全国チェーンの大型スーパーや量販店、コンビニや飲食店にいたるまで株式市場に上場した大手企業の寡占が進み、従来からの個人経営の店や地場経営の中小スーパーに取って変わっていったことです。


これによって失われたものは地域経済の中で実際に流通する豊かさです。


昔は近所の商店街の八百屋さんや魚屋さん、金物屋さんに洋服店などで買い物を済ませていました。

今は大型スーパーやホームセンターで大方の買い物を済ませる時代です。

それによって地域で消費されるお金の流れが大きく変わりました。

昔の商店街型小売業では売上はそのまま事業者の懐に入り、その収入を消費者として他の小売店で消費することで今度はその事業者の収入になっていました。


こういったサイクルが狭い地域の経済の中で繰り返されることで常に一定のお金が循環して景気が維持されていました。


ところが90年代以降、全国チェーンの大手スーパーやコンビニなどに地域の地場小売業が取って代わられてしまうと、そこで購入された利益は一旦中央の本部に集約されて社員やパートタイマーの賃金や商品の仕入れ代金として支払われる一方、その内の多くは株主配当や株式市場を通して運用されていくわけです。(その中で地元の雇用効果や賃金として支払われたお金の多くも同じような全国規模の市場企業で消費されることで地元の経済にとどまらなくなります)

地域の経済の構造がそのような仕組みに変化したことで、それ以前までは地域経済の中で自己完結していたお金の流れが中央に集約されて、さらにグローバルな市場を通して日本国内のみならず世界全体に流れていくようになりました。


これが過去20年間に市場と直結した中央の景気と地方の経済との格差がこれほど急速に拡大した主な理由のほんの一例です。(こういった地方における構造的な症状は生産や小売に留まらず、農林水産業や鉱工業、金融サービス業に至るまで地方のすべての産業に影を落としています)


富の源泉であるグローバル市場と直接結びつくことのない地方の経済においては、競争の激しい中央の市場に直接打って出るか、または低コストな大手企業の仕事を引き受けるか、あるいは観光などで外から人とお金を集めなければ地元の経済と暮らしを維持できない状況に追い込まれていきました。(地方経済の衰退の理由はこれまでは主に過疎化による人口減少が主な要因として扱われてきましたが、それだけでは一定の人口と市場規模があるはずの地方の中核都市でさえシャッター街化していることへの正確な説明にはならないでしょう)


長引く不況と雇用難を解決するために相変わらずデフレ脱却が叫ばれていますが、なぜデフレが解消しないかというと、中央と地方を合わせた一般の大多数の消費者の懐が一向に満たされないためであり、無理な金融緩和をしてお金を刷っても、ただ市場に吸収されるだけでは本当の意味で景気が上向くことは期待できないと思われます。(それどころか、国の赤字国債や建設国債を無制限に中央銀行に買わせるという手法は選挙期間中に野田首相が言っていたとおり、政府の財政において破産のリスクを高める禁じ手とされる手法です。慎重に検討されるべき問題だと思います)

昔に比べてはるかに便利で豊かになった現在の世の中をすべて否定して昔に戻れば良いとは思いませんが、ようはバランスの問題で、市場や大企業の利益に偏り過ぎないようした上で、地方の小さな経済にも配慮した政策が実施されることを期待します。(そうすることが出来れば、普通に暮らしている人たちの間に豊富にお金が流れるようになり、景気や雇用の改善にとどまらず、人々が大切に思っている物事や新たに挑戦してみたい活動や地域を自分たちの手で活性化し豊かにできる事業などの実現のチャンスが高まります)



最後に、小さな島を巡って大騒動が起こったあげく、タイミングよくミサイルまで飛んでくる、ご近所の国々とのこじれた関係についてですが、何分、大方の普通の日本人と同じで国外情勢には疎いうえに、自信を持って明確に言えることはなく、鈍い判断しかできないのですが、大事なことなので確認しておこうと思います。


外交に付き物とされる複雑で難しい事情についてはよくわかりませんが、ただ大事なことはどの国がどんなに勇ましく、たとえどんなにこちらにとって迷惑な主張を展開しようとも、そこには常に本音と建前があって、一見すると取り付く島もないほど深刻に対立していたとしても、何処の国でも本音では互いに利益になることを常に望んでいて、その逆はできる限り避けようとしているものです。

それは世界中何処の国との関係においても同じで、いわば世界の常識の根底に今も昔も変わらず常に流れている基本的想念の形です。

さらに言えば、日本において望ましいことが、他の国々にとって望ましいことなのか、そうでないことなのかの判断を違わなければ、たとえ互いにとって引くに引けない深刻な問題が横たわり続けても、最悪の結論に至る道を避けながら互いに最善の結果を目指すことは常に可能なわけです。

ところが、この重要な判断の基準をかつてぼく達の国は大きく違えて悲劇の道へ突き進んだことがあります。

それは当時の日本の国にとって最も望まれていたことが、周辺諸外国にとっては正反対に最も望まれていないことに国民全体が気づかなかったことで引き起こされました。(当時の日本の国民はそれを良かれと思ってやることにほとんど疑問を持つことができませんでした)


その過ちの結末は日本にとっても周りの国々にとっても空前の犠牲を強いるものでした。

再び同じような過ちへ至る空気が感じられるようになってきたことが今一番心配なことです。


長くなりましたが、これで一応選挙権を持つ有権者として、今回の選挙を終えた時点での世の中の現状について、最小限確認しておきたかったことを書いておきました。



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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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