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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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高校を卒業してから、普通の人よりも人生のスケジュールが遅れることは覚悟していましたが、やはりじっとしてはおれず半年もしないうちに受験勉強を始めアルバイトも始めました。でもこれがある意味で最終的に自分自身に止めを刺すことになってしまいました、頭では分かっていてもやはり焦っていたのだと思います。この時期は甲状腺の数値も安定していましたが、実際には高校に行っていた時よりも体調は優れませんでした。この間に小学校時代の恩師に紹介されて北海道で唯一の甲状腺専門の個人病院に掛かるようになり、無理をしなければ普通の人と変らない行動をしても良いという判断を受けました。それでも体調が思わしくないのは自分の精神的な弱さであり病気に甘えているのだという認識で無理に身体を鍛えようとしたり、ほとんど集中できない状態にもかかわらず受験勉強を続けました。

そんな生活も3年が限度でした、アルバイトも身体が持たずにすぐ辞めましたし勉強は意地で続けていましたが全く実にならず、体調もこれまでにないくらいに悪くなりとうとう甲状腺の数値も上がり再発状態に陥りました。このときは本当にどん底だったと思います、これまで無理に無理を重ね何事も精神論で乗り切ろうとしてきましたが、現実はそんな浅はかな考えが通用するほど甘いものではないことを思い知らされました。


ぼくはそれでもまだ意地を張り続けたい気持ちがある一方で、これ以上突き進んでいくと超えてはならない一線を越えて絶望の中に落ち込んでしまうという内なる声を聞きました。人間の身体や精神には絶対的な限界がありそこを超えてしまうとアウトという線が、その時目の前にあったような気がします。そこでぼくは思い切って決断しました、それまで思い描いていた願望や人生の青写真をいったん捨てて現実をありのままに受け入れることにしたのです。

まずは自分の病気ともう一度しっかり向き合うことからはじめ、病気について情報を集めて自分で理解し甲状腺の状態だけでなく身体全体の症状を改善する努力をしました。通う病院も増えて、甲状腺の他に心療内科と自律神経専門内科、ときには男性なのになぜか乳腺外科にもかよっていました 。それと並行して5Kmのウォーキングとヨガや複式呼吸をとり入れた体操をほぼ毎日行いました。それから、やはり将来の希望と可能性を捨て切れなかったために受験勉強を続けました、それがいつ成るか全く分からない状態でしたが。

それでも体調は一進一退を繰り返しました、そんな生活をさらに3年続けて甲状腺は安定してきましたが体調は逆に悪化しました。というのは甲状腺が安定期に入り全身の代謝が落ちて、内臓の活動が鈍り身体全体がむくんで言葉では表現しきれないほどのダルさと疲労感に襲われました。免疫も落ちて常に風邪を引いたような状態になり微熱が止まず節々も炎症を起こすなど今までに経験したことがないような辛い状態が続きました。健康な人にはピンとこないかもしれませんが、例えれば酒を浴びるほど飲んだ次の日に二日酔いになりおまけに風邪を引いて起き上がるのも辛い状態が365日ずっと続くといった感じです。

自助努力は確かに効果はありましたが、それでも病気を根本的に改善することはかなわず、これ以上悪化させないための防波堤の役割をはたすにとどまりました。それから体調はこれまた違った意味で悪化し続け、これまでの治療の仕方に疑問を抱くようになりました。先に書いたとおり複数の病院に通い、様々な症状が出るたびに新たな薬を処方され、気が付いててみたら薬漬けのような状態が長期間にわたり続いていました。たとえどんなに弱い薬でも体にとっては異物であり、それを長期間にわたり飲み続ければ身体に必ず何らかの弊害が生じるものだと考えるようになりました。

そこで、これまで補助的に飲んでいた薬を徐々に止めて病院も甲状腺以外通うのをやめました。それでも体調は悪化し続け、冬の始めに原因不明の高熱を出しその後春まで微熱が下がらず下痢と腹痛に苦しみ続けました。この時、甲状腺を抑えるためのメルカゾールという薬を発病以来一時期を除いてずっと飲み続けていましたが、ぼくはこれが諸悪の根源ではと考えました。甲状腺の数値が小刻みに上下していたため再発を防止する保険の意味で毎日1錠ずつ飲んでいましたが、これが免疫を押さえつけることになり結果として雑菌やウィルスに対する抵抗力が極端に落ちることになったのではないかと推測しました。

そこでこのメルカゾールの服用をやめさせてもらおうと先生に再三申し出ましたが、先に書いた推測は医学的に根拠が無くなかなか認めてもらえませんでした。それでも、ぼくが訴えた症状の中にメルカゾールが持つ比較的最近発表された副作用に似た症状があったため条件付きで服用をやめることを認めてもらいました。先生としては何より再発のリスクを考え、またメルカゾールを途中でやめて再度服用した場合この薬の持つ重大な副作用が比較的に起きやすいということも考えたのだと思います。服用停止の条件とは再発の兆候があれば直ちに再開するというものでしたが、それから今に至るまで3年間再発はしていません。先生は長年の経験則から再発する可能性が高いと予測していたようですが、ぼくは自分の病気と付き合ってきた経験と実感からそう簡単に再発はしないだろうと予測していました。ただし、これはぼくの個人的な経験則でしかないのでこの先絶対に再発しないという保障はどこにもありません。

メルカゾールを止めてから一ヶ月しないうちに微熱は収まり恒常的な下痢や腹痛も収まりました。それでも、これまで無理に無理を重ねて長期間薬漬けになっていた身体のダメージは想像以上で、調子の悪い時は鉛のように身体が重くなり拭い去れない深い疲労感が残りました。内臓から薬の弊害が抜けるまでさらに数年を要し、それでも自分の将来をあきらめないために勉強を続けましたがとても本調子には程遠い状態が続きました。以前のように体調が激しく乱高下しなくなったかわりに、活力が乏しくなり体力と気力も落ち常に沈み込んだような状態になっていました。今までの病のダメージによる歪が身体に蓄積されていたためか、もはや自助努力で維持することも精神的に限界まで来ていました。そんなとき、まったく偶然の聞き込みで現在掛かっている十字式という整体院を知りわらをもすがる思いでそこに全てを託してみました。それから1年を経て現在にいたりますが、効果の程は思った以上で長年悩まされていた諸症状はほぼ緩和されつつあります。

ここまでを振り返って本当に長い道のりだったと思います、まだ衰退した体力を取り戻してはいないので健康人と同じように元気になるにはさらに時間を要しますが、今までのどん底状態から比較したら天国のような気がします。ここまで回復できたことは、ぼくにとって大袈裟に言えば奇跡のように思えますし、そこまで言えなくても何か大きな力のご加護が働いたことは確かだと信じています。そしてもう一つここに書いておきたいことは、ぼくのこれまで辿って来た病の経過はけっして最悪の場合ではなく、ぼくよりもはるかに困難な症状に襲われいまだ出口が見えず苦しんでいる方々も沢山いるということです。先に述べたとおり、投薬治療が完璧に功を奏しほとんど問題なく健康を回復できる場合と、それだけでは済まず長年患ってさらにバセドウ病の反対の甲状腺機能低下症に陥りもっと困難な症状に晒されもはや健康な生活を営むことが不可能なほどの場合の、いわばちょうど狭間の位置にぼくは立ってかろうじてそこでやり過ごすことができたのだと思います。

ぼくはネットを通してそういった重度の方々の手記を拝見して、その経験談を教訓とすることで多くの助けをえることができました。何よりも、ぼくと同じようにこの病と闘い今もぼく以上に苦しんでいる方々の健康が回復することを願わずにはいられません。そして、まだこの病気が見つかっていなかったり重度の症状に至っていない方はこの病気のドロ沼に足をとられないようくれぐれも注意していただきたいと願っています。
 

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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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