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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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先日に引き続きスピーカー関係の話題です。


一応のメインシステムである小型PAスピーカーがあるのですが、以前一時的に家具の配置換えでステレオ装置を撤去していた時期がありまして、その時の保管方法が杜撰すぎてスピーカーのエッジにカビが生えてしまい劣化が進行してしまいました。

まさに不注意による痛恨のミスという感じでしたが、まさかレンズのようにカビが生えるとは思いもよりませんでした。

ダンボールの中にそのまま仕舞いこんで部屋の片隅に長期間置いていたことが原因でした。

普段からレンズの保管には気を使っていましたが、これを教訓にオーディオ装置の保管にも気を使わなければと反省しました。

PAスピーカー=拡声用スピーカーということでコーン紙に簡易防水処理が施されているので多少ラフに扱っても大丈夫だろうという判断が甘かったようです。

防水処理が施されたコーン中心部は清掃だけで全く問題ありませんでした。

ところが周辺のエッジ部に生えたカビが表面の紙をボロボロにして裏地の素材が一部露出しているような有り様でした。

エッジ自体は裏面の布がしっかりしているのでウレタン製のように全体がボロボロになって崩壊するようなことはなく音も問題無く鳴らせる状態でした。

しかし表面がボソボソになってダンプが効かなくなった分、音が少しカサついたような感じがして、このまま放っておいて劣化が進行するとユニットそのものを交換するかオリジナルとは違う代用素材で新たにエッジを貼り直すしかなくなると思われることから補修方法を考えました。

最初に思いついたのは木工用ボンドを水で極薄にしたものを筆で塗りこむという古典的な処方でした。

でもそれではボンドが固まった後に頑丈な皮膜ができても、柔らかさと同時に適度な弾力性が保てずスピーカーのエッジとして求められる機能性が損なわれてしまいます。

硬くなったエッジでは劣化の進行を抑えることができても音が痩せて元の豊かな響きは2度と出せなくなってしまいます。

そこでスピーカーの補修方法を便利なネット検索で色々調べてみると、新品の代用素材へ張り替える方法や市販のシリコンシーラントを盛って整形する方法など、テープを駆使したかなり強引な力技まで様々な手法を見つけることができました。

その中でヴィンテージオーディオを専門に扱う会社のページに辿り着き、その会社が独自に販売している補修材を見つけました。

高級オーディオ用品に在りがちな”塗るだけで音質アップ2万円”みたいなことはなく、必要な分量だけの小瓶販売で850円というとてもリーズナブルで良心的な価格でした。

補修材の詳しい説明を読んでみると水性塗料のように筆で塗りこむだけでよくエッジの強度を向上させる効果が期待出来るということで早速注文を入れました。





すると次の日の午前中に届いてしまいました。

石狩市の花川という場所で営業しているファンテックさんという会社のお店です。

そんな地元の近場でディープでマニアックな商品を扱うお店があったとは驚きです。

外から荷物が届いた時恒例の匂いチェックが済むと開封です。





 
中身はこんな感じで今回使用するのは左のグレーの小瓶です。丁寧に筆まで付いてきて新しく買う必要が無くて助かりました。右の白い小瓶の方は水性の接着剤でスピーカーのコーン紙が剥離した場合に使うものです。

性質は木工用ボンドに似ていますが、乾燥後も完全に固まること無く弾力性を維持するところが異なり、これもこの会社で独自に開発したものとのことです。

今後、スピーカー補修用以外にも使うことがありそうなので一緒に購入しておきました。





にゃんちょんさんの顔やひげにダンプ剤が着いて取れなくなったら困るので狭い玄関に新聞紙を敷いて作業することにしました。

即日で作業に入るのは少し忙しない気もしましたが準備も一通りできていたので早速始めることにします。






塗り終わって乾燥中の画です。と言っても元が黒一色なので画像ではほとんど違いは分かりません。原液のままでは弾力が強すぎるので田宮模型の塗料皿に必要量だけ移してスポイトで水を加えながら調度良い加減になるまで薄めました。筆先の加減で適当に混ぜていましたが大体原液7水3くらいの割合になったと思います。それでも乾いたあとは結構強い皮膜を形成していました。





塗りこんでから1時間くらい自然乾燥させて表面を手で触れる程度の半乾きの状態になるとアンプにつないで早速音出しをしてみます。

この時点では水分が完全に飛びきっていないので本来の音で鳴ることはありません。

耳で微かに聞こえる程度の微小な音量でCDをかけ続けました。

ダンプ剤が乾いて固まるまでに音の振動を僅かに与えることで振動パターンを”記憶させる”というおまじないです。(はたして効果あるかどうかは定かではありません)

翌日になって完全に乾いたことを確認してから徐々に大きな音量で鳴らしてみると以前の瑞々しい元気のあるサウンドが蘇っていました。

半乾き時点の音では若干ダンプ効果が効きすぎた感じで抑揚のないつまらない音になってしまったように感じましたが、乾燥が充分に進んで水分の重さが飛んだ後はこのスピーカーが本来持っている溌剌とした音に戻っていました。

正直なところ、こういった補修材を一度用いると本来の音質から変わってしまい、ある程度損なわれてしまうことは避けられないだろうと思っていましたが、予想に反して以前よりも音の暴れ方が減って明瞭な聞こえ方がするようになり結果的には大成功だったと思います。

さすがに名品オーディオ機器を専門に扱う会社が手がけた補修材だけあって音質への影響を吟味され尽くして造られたことが補修後の良好な音質からもうかがえます。

今回補修した比較的ありふれた拡声スピーカーならいざしらず、ジャズといえばJBL、クラシックといえばタンノイなど、その方面では言わずと知れた50年以上前の名機を現在でも良好なコンディションを保って鳴らし続けることは相当な苦労と配慮がなければできないでしょう。

今回お世話になったエッジ補修用ダンプ材にしても音質への影響を最小限にとどめながら元の素材に無害な性質の最適な配合を求めるだけでも相当な試行錯誤を要したことが想像されます。

長らく気にいって使ってきた拡声用スピーカーが元のいきいきとした音質を取り戻すことができて本当に良かったです。
  
  

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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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