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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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タイトルが過去形なのは音が出なくなってしまったからです。

購入してから10年目になりましたが、ある日動画を視ていると、突然片方のチャンネルから音が出なくなりました。それから色々復旧を試みましたが回復することはなく、これ以上手をつくしても無駄ということでミニター横の定位置から撤去しました。




ボーズのコンパニオン2というパソコン用アンプ内蔵スピーカーで、このクラスの製品の中では音が良いことで評判のスピーカーでした。

そういった良い評価の一方で製品としての作り自体は価格相応という感じで、特にボリューム回りや左のスピーカと右スピーカーのアンプ部をつなぐ端子部が貧弱で買った直後からトラブる例も少なくないようです。

うちの場合もご多分に漏れず、ほんの少しプラグの差し込み具合が悪いとすぐに左のスピーカーが鳴らなくなる症状がありました。

ただ、これは加減の問題で調度良いところを探せばきちんと音が鳴るので初期故障というほどではありませんでいた。

今回故障したのはよくある左チャンネルの症状ではなく、反対のアンプを内蔵した右チャンネルから音が出なくなるというものでした。

スピーカーユニット以外に何も入っていない左チャンネルはおまけみたいなものですが、アンプ部を内蔵した右チャンネルはいわば製品の心臓部ですから軽症ではありません。

電源は問題なく入りますし左チャンネルからは問題なく音が出るので完全に死亡したわけではないようです。ちなみにヘッドフォン出力は左右とも問題なくなります。

そのような症状で考えられることは何らかの安全装置が右チャンネルのスピーカー出力だけ働いてしまったと考えられることからしばらく電源から外して放置していました。

こうすることで内部の回路のコンデンサーが放電され安全装置がリセットされることがあるのです。

三ヶ月近く放置してみましたが、久しぶりに電源を入れてみても結果はまったく変化なしでした。

こうなれば保証期間もとうに過ぎた製品ですからレッツ分解でゴーとなるはずなのですが、この製品に限ってそれができないようになっているのです。

プラスチック製の筐体は正面と後ろのモナカ構造なのですが、これを分離するためのネジ類が入力端子固定用の一本だけを除いて一切無いのです。

つまり強固に接着されたハメ殺し構造なのです。

後は馬鹿力に任せてこじ開けていくしか方法が無いのですが、そうすれば弱いプラスチック製の箱は変形するのは目に見えていますし、下手をすれば完全に割れてしまいそうです。

これがメーカーの方針なのか、ユーザーによる不用意な分解を予防するとともに自前修理を不可能にして速やかに買い換えさせる意図がありありと覗えます。

中を開けて基板さえ確認できれば、アンプ部が完全に死んでいないことから、きっと信号出力に直接入る一個100円もしない電解コンデンサーが飛んでるだけといった程度の症状だと思われます。

ちょっとしたハンダ付けの技術と予備知識さえあれば簡単に修理できるものです。

また、基板の中でわざと寿命の短い部品を使ったり、取り回し上華奢な部分を作ることで強度を落としたり、接着によるハメ殺しを含めて構造をわざと複雑にするなどしてメンテナンス修理をしづらくすることで壊れたら即新しい製品に買い換えるように促すようになっています。

こういったメーカー側の意図を寿命の適正化と言い、1980年代頃から家庭用電化製品のみならず自動車や鉄道車両など大小様々な工業製品に取り入れられるようになりました。

メーカー側は暗に認めることはしないでしょうが、こうった寿命低下のための技術設計思想は今やあらゆる業種の製品メーカーに行き渡り、国柄やメーカーによってはかなり露骨なやり口があります。

最近のスマホやタブレットの分解不能な構造や予備バッテリーの交換さえ不可能な仕様もそうです。

カメラ関係ではプラスチック化と全自動化が盛んに行われた90年代のC社のゴムダンパーの溶解によるシャッター開閉不良が大々的に起きたことが有名です。

家電製品ではS社の製品がとりわけ壊れやすいという印象が広まったせいか◯ニータイマーという都市伝説的フレーズも生まれました。

鉄道車両では主に90年代に登場した車両が軽量化のやり過ぎによる強度不足で想定外の歪みや亀裂が生じて半分以上の寿命を残したまま早期廃車になった事例があります。

また省エネとコスト半分を大々的に謳って登場した首都圏の(当時の)次世代型通勤電車が文字通り全ての窓が開閉不能のハメ殺し構造で、超満員のラッシュ時に起きた停電による緊急停車時に長時間にわたって空調が止まり蒸し風呂状態で放置された結果、多数の乗客が熱射病で救急搬送される事態が発生しました。

パソコン関係ではマザーボードのCPU回りに配置された電源供給用電解コンデンサーが某国製の粗悪品ばかりだったために使用後数年で破裂する事態を繰り返し以後信頼性の高い部品に交代するまで続きました。

ごく最近の製品でも高性能な新型コンデンサーという触れ込みでタンタルコンデンサーという壊れる際にほぼ確実にショートする部品を多用したメーカーの製品を見かけましたが、いつのまにか従来の手堅い選択である普通の個体コンデンサーに戻っていました。

タンタルコンデンサーが壊れるとかなりの確率でショートすることから本来流れてはいけない経路で強い電流が流れることで周辺の回路に重大な被害を与えかねません。

どうしてもタンタルコンデンサーを使わねければならない特殊な回路でない限り、ざっと基板を見渡してタンタルコンデンサーを多数発見したなら、その基板を積んだ製品はわざと寿命を短くしている可能性を疑ってかかるべきです。

自動車関係でも最近の異常なリコール件数の増加もこういった思想と全く無関係であるとは言い切れないでしょうし、低燃費化されたエンジンやベルト式のCVTミッション、起動と停止をせわしなく繰り返すアイドリングストップ機能やハイブリッド車の複雑な電気系統など、ユーザーの不用意な使い方次第で寿命に影響しかねないデリケートな機能構造が採用されています。

こういった一般のユーザーには分かり得ない設計者だけが分かる手口手法で寿命の適正化が図られている事例は無数に存在するでしょう。

そういう自社の製品の寿命をわざと削ることに熱心になりすぎると、製品の適正な寿命を迎える前に症状が大々的に表れて、重大な故障や事故の原因になって却ってリコール費用などで莫大な損失を出してしまう場合もありまさに諸刃の刃です。

製品の回転率を上げてより早く新製品を買わせることで産業界全体の利益を上げようという魂胆なのでしょうが、それによって生活必需品である家電製品や自動車などの高額な工業製品の買い替えが促進されて、その分だけ余計な支出を強いられているわけですから、私たち一般の消費者にとっては為す術がないとともに余計な負担を押し付けられていることになります。

まだ根本的には使える製品を短期間で廃棄しながら新しい製品を作り続けることで資源の浪費と産業廃棄物の増加、さらに地球環境を壊す汚染物質の放出など二重三重の意味で環境破壊を進行させています。

製品の買い替え需要が促進され経済の発展と税収の増加が見込めるという見方がこれまでは優勢でしたが、その製品を製造する大企業のほとんどがグローバル市場の競争に勝てないという理由から様々な優遇策や租税回避方法を駆使することで、法律が定める納税率よりも圧倒的に少ない税金しか収めていません。

そういった問題を指摘する専門家の説によれば、あれこれ理由付けをして納税回避を繰り返してきた大企業がしっかりきっちりと税金を収めていたなら、消費税を完全に廃止してもまだお釣りがくるほどで、今後増大し続ける社会保障費についても充分に対応できる額に上ると分析しています。

また海外の消費者の視点からも、信頼性が高く長持ちする日本製品という長年の積み重ねによって定着した良いイメージが安易な製品寿命の適正化によって、より安い中国製や東南アジア製の製品と比べても機能が充実しているだけで長持ちしないとなれば、2倍以上の価格で売られている日本のメーカー製品はセレブ向けの高級品として多数の一般消費者の選択から敬遠されれるという結果を招いてしまうでしょう。

現実にテレビや白物家電といった生活必需品としての家電製品の市場では日本メーカーは完全に敗北をきしています。

世界の家電市場における日本メーカーのシェアの大幅な縮小は今後も続き急速な再編と業績のさらなる悪化が避けられなくなりつつあります。

21世紀になった直後から始まったあらゆる市場のグローバル化の熱狂が世界を覆う巨大な蜃気楼に過ぎなかったという真の現実に今や地球上のほぼすべての国々がそれぞれの立場で直面しています。

目先の利益至上主義の弊害と毒が全世界に回り始めていると言えそうです。



PS)
小さなスピーカー1セットの話から随分大きな視野へと話が飛躍しましたが、あらゆる物事はマクロからミクロへとその正反対も含めて双方向に繋がりながら常に関係しているものです。今回壊れてしまったスピーカーはアメリカの有名音響機材メーカーの製品です。もともとは業務用の音響機材で有名なメーカーで店舗用のBGMスピーカーとしてよく見かけるブランドです。かなり特殊な用途のスピーカーも手がけているようで、この小さなコンパニオンシリーズに使用される小型スピーカーはスペースシャトルに搭載されたものと基本設計が同じという高性能なものです。故障の原因を探ろうと分解した例がないかネットで検索をかけたところ、別のシリーズの同型姉妹品の分解例が見つかり内部の様子を画像で確認することができました。基板を確認すると、やはりボーズという感じで普通のこのクラスの製品には見られない特徴が覗えました。まずパッと目に入るのが基板上の各部に散らばった鮮やかな黄色の小さな四角い部品です。これは高音域のノイズを減らしてスッキリとした音質に仕上げるためのフィルターコンデンサーです。直径が僅か5cmほどの小さなスピーカーユニットの性能を最大限に引き出すための専用のイコライザー回路が内蔵されているのもボーズ製品らしい特徴の一つです。一見すると貧弱で安っぽいだけのプラスチックの筐体も台形状の傾斜のついた箱にすることでパソコンに向かうリスナーの耳に直に音が届くようにするとともに、90度の直角だけで構成された真四角の形状を避けて音の発生源と設置場所との平行面をなくし、箱の内部でも定在波と呼ばれる音質をきつくしがちな共振現象が起きないように工夫されています。素材的には理想的な響きと強度を持つ木製のキャビネットでも真四角の箱状だと継ぎ目や平行面で不要な共振が起きて何の対策も施されていないと非常に聞き疲れする硬い音質になります。その点では安物とされるプラスチック製のスピーカーのほうが形状が遥かに自由度があり継ぎ目も少なく一体なので、見た目重視だけのデザインではなくしっかりと音質に配慮した設計がなされている場合はより聴き入りやすい明瞭な音質である場合が多いのです。このように専業の音響機器メーカーが手がけた製品として当然のことながら音質も1ランク上の良いものであるだけに壊れたからと言って使い捨てにするのが勿体ないのです。同じシリーズのデザイン違いの現行製品がありますが、こちらの製品は先に説明した回路上のイコライザー部が完全にデジタル化されたDSPに置き換わり電源用アダプターも音の良いトランス式から各国の電圧に対応したノイズの多いスイッチング式に置き換わっています。現行品はより臨場感が増した一方で自然でおおらかな音質という意味では旧製品に軍配が上がりそうです。信号の経路に余計なデジアナ変換が入ることが気になるのでそのまま買い換えることはしないつもりです。しばらくは予備スピーカー2号機による迂回経路のお世話となりそうです。




ついでですが予備2号機のスピーカーはこちらになります。

普段はCDプレーヤー用の奇抜な卵型のスピーカーです。

知っている人にはよく知られたタイムドメインのスピーカーです。

何だかバッタ臭いデザインですが本物です。

これまた近所の中古店でバッタ物扱いで転がっていたのを拾ってきたものです。




イタズラでコーンの真ん中が潰された状態でしたが、紙のコーンに水分を含ませながら掃除機で徐々に吸い上げて復元しました。

こちらはドライバーだけで分解できる構造なのでユニットや基板上に異常がないことを確認後、端子や基板のヤニ汚れや溜まったホコリをクリーニングして組み直すと元気よく鳴り出しました。

特許技術のタイムドメイン理論に基づいた個性的なスピーカーですが、これは本格的な高級品ではなく、その特許技術のデモンストレーション用と思われる最も安価な製品です。

おおよそオーディオ製品として音質への特別な配慮がなされていない普通の作りですが、低音重視のボーズ製品とはまた違った、ゆったりとした感じの聴きやすい音質です。

音場の定位が特に優れていて2本のスピーカーの真ん中で完全にボーカルが歌っているように聞こえます。

単体のデジタルセレクターを介してPCの音声も一応鳴らせるようにしてあったので、しばらくはこの代用経路でお茶を濁そうと思っています。

もう1セット小型のPAスピーカーで鳴らすこともできますが、音量が想像以上に大きくて部屋の外まで聞こえるような代物なので普段は完全に封印されています。

普段、小音量で音楽を聴く分にはコンポよりも小さなスピーカーでまったり鳴らしているのが一番です。


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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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