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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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先日の記録行から岩見沢駅停車中にスナップした空港ライナー風HM付きS-113編成のお顔です。

真っ赤な暖色の車体とは正反対の青と白のツートンカラーが映えます。

お手軽ですが、これで一応さよならHM全種類コンプリート出来ました。



いよいよ今週末と来週で本当に赤い電車とさようならをしなければならないのですが、個人的な感想としては、ただ寂しくなるとか悲しいといった感想よりも、これまで長い間親しんでこれたことへの感謝とともに、もっと前向きな気持ちを込めて最後の活躍を見送りたいと思っています。

今週初めまで岩見沢界隈へ出かけたり、近所の撮影ポイントで朝の144M一本だけを狙いにこまめに撮影を重ねてきました。

その甲斐もあって自分でもほぼ満足の行く記録カットのレパートリーが揃いつつあります。

いまだ未消化の図案がいくつか残っていて、それらすべてを最後までに撮りきれるかどうかわかりませんが、最後の一週間はそれらすべてを取り尽くすことや会心作を狙うことはあえてしようとせず、先に述べたような自分なりの前向きな感謝の気持を1カットごとにどれだけ込められるかに集中しようと考えています。

そのためにまずは体力の回復と疲労の解消が必要なので今は高まる気持ちを抑えつつ養生しながら日常の作業をこなしています。




上の写真と同じ時に構図を横に伸ばして現在最新型の733系とのツーショットも撮りました。

最新のステップレス車体の733系ですが、これまで北海道の電化路線ではありえないくらいの勢いで急速に製造され続けています。札幌圏の電車の半数以上がこの形式で揃えられる日もそう遠くないと思われます。




趣味的にはあまり好かれはいない様子の733系ですが、最大の特徴である段差を無くした低重心の構造や細かな振動を減少させる工夫など、その原型となった約15年ほど前から活躍している731系に比べても乗り心地や省エネ性ともに大きく向上しています。

733系は現在の省エネと大都市圏のラッシュ輸送のニーズに応える意味では申し分のない出来栄えの電車と言えそうです。

まもなく引退する赤い電車711系の方は比較すると、基本となる設計のコンセプトは今から半世紀以上前の国鉄時代における長距離急行電車スタイルに端を発するもので、前後2ドアからさらにデッキを介して客室となり、今となってはかなり狭い間隔の4人がけボックスシートが前後端を除いてズラリと並んでいます。

赤い電車の第一陣が登場した昭和40年代は未だに蒸気牽引の客車列車が通勤輸送に活躍していた時代で、そんな中で長距離優等列車と近距離の通勤列車を上手く両立できる赤電711系は画期的な電車として活躍をはじめました。

時代が昭和から平成に入り国鉄が解体されJRとなる激動の時期を迎えるころには、札幌圏の人口の増加とともに沿線環境も大きく変化しました。

JR化後に真っ先に登場した豪華快速使用の721系までの防寒性を最優先させたデッキ付きクロスシート仕様ではラッシュの混雑時には不向きな構造で、90年代後半から登場した731系では本州以南の大都市圏における一般的な通勤仕様にならってデッキ無しロングシート仕様となったのは必然的な流れでした。

731系で確立された北国のラッシュ輸送に適した簡素な仕様をさらに効率的に進化させた733系の特性は現在の通勤輸送の実情の中でいかんなく発揮されていますが、その一方で鉄道を利用した移動における独特の心地良い感触や旅の風情を掻き立てる情緒性といった乗客を魅了する心情的な意味での機能性は失われていると思われてなりません。

711系は通勤輸送を主体としながら、ある程度の長距離移動を快適に過ごしてもらうための設備を意図して備えた結果、身近な日常の足としての電車でありながら旅の情緒や味わい深さを感じさせる存在として、これまで多少の不便にもかかわらず多くの利用者に親しまれてきたのかもしれません。



 まもなく全運行を終了する赤い電車711系の最後の勇姿を去りゆく者への哀愁や昭和レトロの感傷などとして単純に捉えたくないという強い気持ちがあります。この雪景色に映えるバーミリオンの丸みを帯びた車体から感じ取れる温もりや、地元のJKやJCからでさえ”カワイイ”と称される親しみのあるデザインは決して古びることのない、見たり乗ったり触れる人たちにとって普遍的な魅力で溢れています。




カタチあるものはいつかその役割を終えて去っていくのは逆らいようのない時代の移ろいの中の摂理ですが、そのカタチを越えて内在する真に潰えることのない普遍性とその価値そのものはカタチを変えて新たに受け継がれていくことも確かな摂理の一つです。

今一度、当記事の中程に載せた赤い電車の711系と現時点での最新型733系のツーショット画像を顧みながら感想をまとめたいと思います。

機能効率性を追求することだけに特化した設計は733系を持って完了したように思われます。

国鉄型車両からの脱皮から出発した現在の効率化指向のハイテク車両が、その国鉄型車両が現役路線からほぼ消え去ろうとする同じ時期に完成の域に到達し折り返し地点を迎えつつあることに何か深い因縁めいたものを感じることがあります。

それは言い換えると、機能性やコスト面での効率化の追求と、その飽くなき探求と改善を追い求め続ける姿勢をそのまま体現したような、シャープで洗練されたカタチとデザインの追求こそが進歩の証であるとする信条に基づいた路線の終着をも意味します。

改善と進歩の追求だけでは反比例して魅力が急速に失われていくということは、何も鉄道車両の分野に限ったことではなく、世の中に存在する有形無形のあらゆる物事の進化と盛衰に見られる法則です。

上のツーショット写真において去りゆく方の赤い電車とこれからのハイテク通勤電車のちょうど中間をとったような、高い機能性と親しみやすい温かみや情緒を兼ね備えた新たなローカル電車の登場は期待できないものでしょうか。

733系と並んだ赤い電車の姿を見ると、むしろ古いはずの赤い電車のほうが新鮮に見えるような錯覚をおこします。

どこを見てもハイテク化された無機質な世の中でも、ふと見るとホッとするような人の心に安心感と共感を与えられる存在が無意識のうちに求められているように思えます。


昨今、北海道の鉄路を揺るがす不祥事や経営問題が相次いで巻き起こっていますが、そんな火事場のような最中では鉄道が持つ情緒的な魅力をもう一度見直そうとすること自体が常識に反した絵空事の類として受け流されてしまいそうですが、しかしそれでも鉄道が本来持っている魅力を高めて人々の注目と需要をより引き出そうとする試みは経営と安全に続く重要な三本目の柱となります。

さらに魅力を維持するということは鉄道を利用しようとする様々な人たちのニーズを掴んだうえでその期待を決して裏切らないという姿勢を示すということも意味します。

あれほど惜しまれながらも廃止されるトワイライトエクスプレスや北斗星などの寝台列車や大幅に運行路線が削減されたSL列車など、安全対策と新幹線開業優先の名のもとに対外的な魅力度が落ち続けている北海道の鉄道網ですが、なおさらのこと魅力の喪失に歯止めができるようもっと前向きな姿勢で取り組んでほしいと思います。

日本全国の鉄道会社が大手から地方の小さな民営鉄道に至るまで、たとえ厳しい経営環境に置かれていても一丸となって様々な方法で新たな魅力を創出することに熱心に取り組んでいるのは、単に一過性のブームに便乗したイベントのためではなく、その魅力の減少が世の中の大多数の人たちを鉄道から遠ざけることになり、それは日本全国の鉄道路線網そのものの衰退に拍車をかけることに繋がることをどの鉄道会社も危惧してるからです。

ラストのチケットがわずか0.1秒で売り切れたトワイライトエクスプレスにおいて、残念ながら乗車を果たせなかった人から乗客とクルーの人たちへ代わりの花束が贈呈されるというエピソードもあったようです。

北海道の電化路線でのみ活躍してきた唯一無二でオンリーワンの存在である赤い電車711系も相当な人気で、道外から多くの乗り鉄や撮り鉄たちを繰り返し呼び寄せている注目の存在です。

遠くは西日本、九州からも駆けつけている猛者もいて地元民としてもその熱意と行動力に驚かされます。

さらには、日本国内を通り越して、世界からみてガラパゴス化している日本の鉄道の中でも極寒の地に適応するために固有の進化をとげた、ここ北海道でしか見たり乗ったりすることの出来ない雪国の特殊な鉄道を求めて遠く欧米やオーストラリア、台湾、中国、アジアから訪ねてくる愛好家も存在します。

赤い電車を含めて北海道で活躍した歴代の鉄道車両は他の地域には存在しない個性的で大変貴重な車両の宝庫だということが一般の人たちにはほとんど認知されていないことが残念でなりません。

そういった人気を集める車両が第一線を退いた後も新たな観光列車などへ仕立て直して話題性と魅力の向上のために活用するなどできないものでしょうか。

このままその存在価値を再評価されることもなく新幹線と安全対策の影に隠れてしまうのはあまりにもったいない話だと思います。

赤い電車に関連して思いもよらず話題が広がりましたが、とにかく最後の活躍を出来るだけ悔いの残らないように記録して見送れるよう努めたいと思います。

また、北海道の鉄道全体がこのまま魅力を失う一方でやがては衰退していくのではなく、日本全国で盛り上がる他の鉄道会社の地道な活性化と呼応して新しい魅力と人気を生み出していけることを願うとともに一鉄っちゃんとして陰ながら応援していこうと思います。



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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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