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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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前回の記事の続きで今回の記事で完結です。
 
雪原を走る復刻色S-110編成の撮影を終えたあと、寒風吹きすすさぶ国道12線の凸凹歩道をヨタヨタしながら歩いて最寄りの光珠内駅までなんとかたどり着きました。

無人駅の待合室は暖房はついてなく殺風景ですが先程のバス停小屋や吹っきさらしの野外よりは格段に暖かく快適です。

30分ほどの待ち時間をつつがなく過ごして新鋭?721系の普通列車に乗って岩見沢まで戻りました。




事前の計画ではここで終了の予定でしたが、体力的にまだ余力が残っていたことと、なんといっても今日が自分的には本格的に赤電車を追いかけられる最後の日になる予感がしていたので撮影行を続行することにしました。

岩見沢に戻っても次の赤い電車まで1時間30分ほどの待ち時間がありましたが、ひたすら何もせず待ち続けました。



 
もう何度目かの乗車になる岩見沢駅15時27分発旭川行き普通列車に乗り込みました。

先週末に同じ列車に乗った時は鉄的人たちの群衆でごった返していました、今回は地元の人たちのなかにちらほら混じっている程度で楽に着席することが出来ました。

岩見沢を発車して一駅目の峰延を過ぎるとまもなくして先ほどの撮影ポイントを通過します。

午前中のイワホで購入したポプラHMグッズで遊んでみました(^_^;)






終着の旭川までこのまま乗って行きたいのは山々でしたが、時間と体力とそれから懐事情的にも無理をしたくないので短距離乗車で下車しました。

ここまで乗ったS-113編成はある意味で復刻色編成よりも個人的に浅からぬ縁がある編成です。 





下車した駅は光珠内の一つ先の美唄駅です。

上の写真にすでにこの駅で下車した目的が写り込んでいます。

この駅のホームが撮影の目的地のため下車後すぐに改札を抜けて切符を買い再び改札を出てホームに戻ります。

朝から同じような場所を繰り返し行ったり来たりするなど忙しない行動ばかりですが、撮影を主目的に移動を繰り返しているといつもこのようになります。

居合わせた同好の方としばし談笑している最中に想定外の白ボウズ付きオホーツクが通過していきました。

次の茶志内にて先ほど乗車したS-113編成と離合ツーショット演じているはずですが、鉄的レアシーンよりも個人的なこだわりの一枚を収めることが主目的と決めていたので何も悔やむことはありません。

折り返し乗車する岩見沢行き普通列車の入線が近づいてきたのでホームに出て待つことにしました。




チャンスは入線時の一回きりでした。

昨年の小樽発旭川行長距離鈍行乗り通しの旅の時に偶然に車窓から見つけた石川啄木の記念歌碑と赤い電車とのツーショットカットです。

この日をもって最後の復刻色、歌に詠まれた雪の日の赤色、昨年乗車したその車両との文句なしの一枚です。




 

目的の一枚を撮り終えて結果を確かめる間もなくデッキに入るとドアが締まりました。


ガラス越しに過ぎ去る美唄駅を何枚か収めてほっとすると赤い電車はスピードに乗って加速し始めました。


ちょうど地元高校生の下校時間だったため3両編成の車内は結構な乗車率でした。






 
通学の足として日常的に利用してきたこの電車が今日のこの列車を最後にお別れであることを知っている人はこの高校生の中にはたしているのかなどと、ありきたりで若干貧弱な鉄ヲタ的空想に耽っていると、先ほど滞在した光珠内駅に停車し発車するところでした。通い慣れた雪原にビニールハウスの骨組みを見つけると来たる季節が近づいてくる実感が湧いてきます。




峰延を過ぎて夕暮れ間近の原野を見つめていると岩見沢の街並みが近づいてきました。

何度も繰り返し目にしてきた風景ですが今日に限って一際に感慨深い思いなどは不思議と湧いてきませんでした。 





 
岩見沢駅手前でぐっとスピードが落ちて右に左に揺られながら渡り線のポイントを通過していきます。

いくつかの踏切と跨線橋の下をくぐり抜けて視界にレンガ造りのレールセンターが見えたところで記念に一枚。終点岩見沢駅のホームはもうすぐ目の前です。




 
いつものように夕方の下校列車が岩見沢駅に到着しました。

赤い電車を降りた乗客は改札口を目指す人も乗り換える人も一斉に跨線橋の階段を目指して足早に移動します。ありきたりな日常の光景を一枚ずつ記録していきました。






折り返し待ちとなりしばし静寂が訪れたホームを行ったり来たりしながら、ときたま思いついたようにシャッターを切りました。

まだ十分に輝きと温もりを宿した汽車窓の赤い車体を収めた時、なにか納得が行ったような気がしました。





人影まばらな跨線橋の階段を登って窓から去り際の一枚を撮って改札を抜けました。

帰りの電車まではまだ時間が許すので折り返し旭川行を撮るために駅を出ました。

朝の到着列車をサイドから撮ったレンガ敷のだだっ広い歩道を通りぬけて駅東側の古い歩道橋までたどり着きました。

古いレールをたくみに組み合わされて造られた歩道橋は近未来的な自由通路が出来る前まで線路を挟んだ両側地区を結ぶ主要な架け橋でした。




歩道橋のへりに立ち夕暮れ時の空を見つめながら露出を見計らいます。午後5時ちょうどに発車する旭川行き普通列車が来るまで10分ほど待つ間に辺りはみるみる暗くなっていきました。

復刻色の赤い電車はそのシルエットと夕光が重なる時をゆっくりと通過していきました。





最後は構図を定める手の力も怪しくなっていました。

何はともあれ、これで全て撮り終えたという気持ちで来た道を駅まで戻りました。

夜の列車のバルブ撮影も一瞬頭をよぎりましたが今日は朝から追いかけ続けて疲労がピークになりそうなのでここで潔く撤収することにしました。

今日何度目かの改札をICカードで通り抜けて一番奥の7番線に停まっている札幌方面行きの普通列車に乗り込みました。

はたしてこれまでにベストな記録を尽くせたのかどうか不安もよぎりましたが、とりあえず運休が続いている中でもほとんど待つこと無く帰りの列車へ乗れたことに安堵しました。




 
これを持ちまして赤い電車の引退間近の個人的な撮影記を一応の完結としたいと思います。

次の日は奇跡的に早起き出来たおかげで岩見沢を朝に発つ札幌行き144Mに本当に最終乗車を果たせた時の様子はすでに記しました。

ほぼ半世紀近い47年間の長期に渡り北の電化路線を走り続けた赤い電車711系の最後の輝いた姿を垣間見れたことは忘れられない思い出となりました。本当に長い間お疲れ様でした。そしてありがとうの一言を送りたいと思います。







PS)
赤い電車と共にトワイライトエクスプレス、定期北斗星も運行を終了するなど今年の3月は大きな別れの月となりました。これら去りゆく寝台特急に注目が集まる中でも平凡な普通列車である赤い電車711系のラストランウィークも相当な注目を集めました。限られた時間と機会の中でどちらに重きを置くか少しだけ悩みましたが答えは赤い電車を最優先に収めることでした。結果的に今年に入ってから寝台列車にカメラを向けたのは1度きりで最終運行の際も出かけませんでした。寝台特急に関してはごく最低限の記録を昨年中に済ませていたことと、この期に及んで慌てて撮り歩いても決して良い結果は残せないと踏んだからです。それよりも数年来暖めてきた季節を行く赤い電車の連作を出来るだけ完成に近づけるために未挑戦の冬の構図を順番に収めていくことに集中することにしました。結果は時間不足と天候のタイミングや足が及ぶ範囲を超えるなど条件的にどうしても収めることができなかった構図がいくつか残ってしまいましたが、なんとかギリギリ意図した流れを表現できるレパートリーが揃いました。出来の差や視野の狭さなどに目をつぶれば、ぼく自身にとって赤い電車は主要な活躍の線区を四季を通して記録できた唯一の被写体であり、これまでのあまちゃん撮り鉄人生の集大成と言っても過言ではないテーマとなりました。そこまでやり通して一区切り着いたことにホッとしていると同時にこの経験を新たな意味で文筆の世界の中で表現出来ることに向けて今からワクワクしています。これまで撮りためた未編集のカットはゆっくり時間をかけながら仕上げていずれ小さな記録アルバムにまとめたいと思っています。




 
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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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