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わずか7分弱の小樽駅での折り返し時間の間に忙しく撮影を済ませると早速表題の列車に乗り込みました。今日はどうにか早起きして朝2番の列車で小樽まで辿り着き、この夏をもって大幅な減便が決まっている赤い電車711系で行く長距離鈍行列車の旅を楽しんできました。その時の様子を簡単にレポートします。
小樽駅を発車して南小樽、小樽築港と見慣れた街並みを先ほどとは逆順にたどってトンネル一つ抜けると、やがて快晴の空のもとの青い日本海が視界に拡がります。早速窓を開けると朝の潮風が蒸し暑い車内に吹き込んで一気に涼しくなりました。持ってきた菓子パンを朝飯代わりに頬張りながら海風にあたっていると寝ぼけた意識が少し冴えてきました。
名撮影地として名高い張碓の恵比寿岩付近を通過。今日は快晴のマリンブルーと復刻色S-110編成先頭という絶好の条件から崖上の足場には三脚の列ができていたと想像されます。
ちなみに⇐と⇑の写真は安全に考慮して完全に車内から撮影しています。
国鉄マークが残るおなじみの扇風機もパワー全開で車内の空気をカクハンしています。手稲でニセコライナーに先をゆずるため最初の待ち合わせで停車しているあたりから混み始め、札幌直前でピークを迎えました。その先もかなりの乗車率でした。地元野幌駅を過ぎた辺りから行楽客中心となり江別から先は徐々に空いていきました。
幌向駅で785系旭川行きL特急スーパーカムイ9号に追い越されます。
ホームの端っこで一眼では引けが取れず仕方なくケータイカメラでパチリ。どうにかお顔が止まってツーショットになりました。この先も様々な列車に道を譲りながら終点旭川駅を目指します。
岩見沢駅到着後すぐに後ろ3両が切り離されます。
今日の相方は冷房付きのS-113編成でした。今乗っている普通列車が旭川到着後に折り返して岩見沢に戻ると夕方に再び手を組んで手稲へと向かいます。
岩見沢駅3番線ホームにおなじみのばん馬木像が鎮座しています。かつて名物だったと言わなければならいのですが、長らく岩見沢市の風物詩だった重量級のばん馬が鉄そりを引くばんえい競馬は廃止されてから久しく月日が経ってしまいました。年に一度のイベントなどで復活させることは出来ないものでしょうか。
反対のホームに目を向けると後ろの停泊線で昼寝をしている711系も見られます。全盛期に比べると勢力はかなり縮小したとはいえ、岩見沢以北の空知地方まで来るとまだかなりのまとまった数で運行されていることが実感できます。長らく当たり前だった光景もあと一月ほどで様変わりしているはずです。
閑散としていたホームに札幌方面から列車が到着すると大勢の乗客がいっせいに降りてきました。
どうやら今日はいわみざわ公園の野外ステージで大きな合同ライブイベントが開かれるようで、そこに向かう観客が列車を利用してやってきたようです。
おおよそ30分にもなる長時間停車中に様々な特急列車が行き交います。
こちらもかなりのベテラン走者である準国鉄型N183系先頭の網走行き特急オホーツク3号との出会いです。再び同じ旭川行きのカムイ11号に抜かれたあと、ようやく岩見沢を発車します。
岩見沢を出るとこれぞまさしく”THE田園地帯”という空知的風景の中をモーター音高らかにカッ飛ばしていきます。
それにしても開け放った窓から吹き込んでくるやや強烈な風が気持ちイイです。
峰延を発車した直後、ダイヤ的にこの辺りだなと目星をつけておいたところで目論見通りゴールデンコンビ相方のS-114編成と一瞬の離合が実現。一眼+テキトーな単焦点にラバーフードを付けたヤツを密着させ無事ゲット!一瞬この先の踏切あたりで望遠構えていたらミラクルツーショット実現かと思いましたが乗ってる限り絶対無理orz
ほどなくして美唄駅に停車するとちょうど目の前の壁に何やら額縁が立てかけられていました。そこに書かれた薄ら細くて見えづらい文字を読み進めて行くと最後に啄木とあります。
石狩の美国といへる停車場の
柵に乾してありし
赤き布片かな
有名な歌集「一握の砂」にも読まれた歌だそうです。
冬の停車場の柵に一片鮮やかな赤布を見とめた有り様を詠んだ歌ですが美唄をあえて美国と読み違えるところに啄木の感動の大きさとセンスが顕れています。
それにしても古今東西、自分に正直に生きた人たちはみな何故にメタメタな人生を送ってしまうのでしょうか。
ある意味、啄木さんに負けていられませんなぁ~(ボソ)
そんなことを考えながらただボーっと流れ去る景色を見ているうちに茶志内、奈井江、豊沼、砂川と停車と発車を繰り返しながら気がつくと空知川の鉄橋を渡っているところでした。
右手の貨物線に止まっているコキ3両を見ながら滝川駅に到着しました。
言わずと知れた根室本線の接続駅で遠く池田から来たキハ40ワンマン列車が停車中です。広い駅構内に岩見沢ほどの活気は見られませんでした。
この列車に乗って二度目の長時間停車ですが、こちらはさらに長い40分間の停車時間になります。もうすでにやることもほとんどなく、持ってきた菓子やおにぎりもちょうど食べきりそうなところでした。駅裏手の河川敷にある飛行場を離発着するウルトラライトプレーンの姿を眺めながらひたすら発車の時を待ち続けます。
走りだすことをほとんど忘れかけていた頃、列車は再び静かに動き出しました。滝川から体育会系留学生?の一団が乗り込んでから車内に英語や日本語が入り混じった会話が聞かれはじめ何となく異国っぽくなってきました。列車は快調にスピードを上げて、つい先頃菜の花が綺麗だった畑の辺りを一気に通過しました。
江部乙を発車してしばらくすると北海道の母なる大河石狩川を初めて渡ります。この辺りまで来ると川幅はかなり狭くなりますが流れは急になります。渡り終えるとまもなくして妹背牛に停車、深川、納内と一駅ごとに停車しながらやがて空知北部の田園地帯が途切れたところで長いトンネルに入り神居古潭を超えます。
トンネルを抜けるとそこは上川で雰囲気がガラッと変わったように感じます。伊納、近文と思いのほかゆっくりと走りながらもう一度石狩川を渡ると旭川の中心部に入ります。 真新しい高架線に進入するとまもなく終点旭川駅に到着しました。4時間30分の思ったよりも長いようで短かった赤い電車の旅が終わりおました。今日数え切れないほど行き違ったカムイが隣のホームでお出迎え。
乗ってきたS-110編成の折り返しを見送ってから改札を出て旭川の街へ降り立ちましたが、今日は新しくなった駅周辺をゆっくり探索している時間的余裕はなく、慌ただしくバスのりばへ向かいとある目的地へと急ぎました。それについてはまた別の機会で、、振り返ると ターミナルホテル跡地に新たにイオンが建設中でした。
再び岩見沢駅3番ホームのばん馬像前にて。
旭川での所用を終えて夕方の赤い電車で帰る途中の一コマです。本当はもう少し滞在して目的を達そうと思っていたのですが、体力の充電切れで無理せず早めに帰路につきました。
帰りの車内も旅行客が多く下車後に赤い電車をバックに記念撮影している人も多かったです。
少し物足りなさが残りましたが充実した小旅行でした。接続する小樽行き区間快速のロングシートに座ると一気に現実の世界に引きも出されたかのように感じました。
PS.)
昔懐かしい白陶器製の洗面台です。最新の電車には見られない小粋な空間ですが今でも地元のヤングたちに人気なようです。鏡の前に制汗スプレーの空き缶が無造作に置かれていました。男女の若者がけっこうな頻度で髪型や化粧直しに使っているようです。長い停車中の暇つぶしにしげしげと写真を撮っていたら背中越しからキモっ!と声がして思わず振り返りました。少し化粧が濃い目のギャルとキモヲタが対峙するシュールな構図でした(汗)
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発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。
写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s
「目指す場所があるからいつだって頑張れる!」