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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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前回の記事に引き続いてカメラ関係の話を書きます。

RAWとJPEGの話からデジタル画像とフィルム銀塩写真の比較について話が飛びました。

以前フィルム写真をやっていました~とちょい自慢気に言ってみたところで当時はほぼそれ以外に写真を撮るすべが無かっただけで、プロ・アマの人たちがやっていたような高度な知識やテクニックなど持ち合わせていないただの撮りっぱなしカメラ小僧でした。(←今もたいして変わってないorz

それでも当時まさかデジカメなんてものが登場してこれほど急速に普及するとは思っても見なかったですね。

ましてインターネットやスマホの時代になるなどとは想像もつきませんでした。

ただ通話するだけのケータイ電話だって数えるほどの人しか持っていませんでしたし。

それでも何というか全体的に今よりもゆる~い空気で、ただ単純に先の未来は明るいと思っていられる気楽さがありました。

そんな1990年代後半の古き善き?アナクロな時代に撮ったサンプルを張っておきます。




普段ほとんど開けることのないネガBoxから取り出した中から久しぶりにスキャンしてみました。

朝里付近の海岸線を行く711系S-111編成3ドア車ですが風景も車両も今とあんまり変わっていませんね。





アングルも今よりは比較的自由でした。

多少線路に近くても怒られることはありませんでした。

というかこの辺りの海岸線は線路が地元住民の生活通路の一部をなしていました。



 

合間に防波堤越しの海に浮かぶ漁船のカットもありました。

ただボケェーっと海を眺めながら時間を潰して列車が来たらカメラを向けるを繰り返していたようです。





待っているとこんな列車も姿を見せました。

キハ150系2連のニセコライナー札幌行きです。

車両自体は今も健在ですが同系の山線直通快速列車はすでに見られません。






今と決定的に違うカットが出てきました。

721系6連の快速エアポート ですが立派なヘッドマークが付いています。当時の快速電車にはもれなくヘッドマークが付いてきましたが、当たり前すぎて熱心に記録しようとは思いませんでした。



一応、フィルム写真の性質を説明するためのサンプルとして張ってみましたが、この程度の画質では思い出話のネタにしかなりませんね。

デジタル写真を本質的にはるかに上回るとされるフィルム銀塩写真の持つ底力の片鱗だけでも感じて貰えればと思います。

後半は懐かしのフィルム写真の持つ潜在的画質力についてうんちくを並べてみようと思います。


一節によればフィルム写真の潜在的画質は同サイズのデジタル写真と比較して5,000万画素相当を上回るとされています。

ただ、それはあくまで理論的なもので平均的なフィルム写真にそこまでの画質は期待できそうもありません。

それでも少なく見積もって1,000万画素前後の解像度は普通に撮っただけの写真でも十分期待できそうな感じです。

ところがその理想的な画質をネガから引き出すまでが一苦労で、そのままスキャンするとくすんでぼやけた画像にしかならず、とても1,000万画素超のデジカメで撮った写真と並べられる画質ではありません。

そこで普通はスキャナー付属のドライバーでコントラストや色調を細かく調整しながら読み込むことで画質を整えますが、それでも一級のデジタル画像のような鮮鋭できめ細かい画質には一歩及ばないレベルまでしか出せません。


 
これまた懐かしい苗穂カーブを行く781系エアポートの写真が出てきました。昔から札幌周辺で一番有名な撮影スポットでしたが現在は立ち入りが厳しく規制されています。

スキャナーの自動補正を有効にして微調整を加えただけの簡単読み込みでこの程度です。
 
 
 
 
普段横着して古いプリント紙から読み込んでいますが、お手軽補正とはいえ今回は直接オリジナルのネガから読み込むことで本来の画質に近い雰囲気は出ていると思います。


※ちなみにフィルムに込められた情報量がいかに豊富でも一度プリントされてしまえばその用紙のサイズと印刷の解像度が上限になります。その乏しいプリントを原版として高解像度のスキャンにかけても元の解像度以上の情報量は得られないのでフィルムが持つ本来の画質には遠く及ばない簡単なだけがとりえの方法です。

 
ネット上でフィルムスキャン関係の情報を検索すると本当に嘘のようなクリアさで再現されたフィルム写真画像に出会います。

もちろんプロ級の高価な機材とレタッチソフトを駆使して再現されたものもありますが、その一方でリーズナブルな機材と一手間をかけることで以外なくらいに高レベルな仕上がりをみせるものもあります。

ハード面では高価な専用品でなくともフィルム読み込み機能のついた普通のフラットヘッドスキャナーで十分なようです。

比較的大事なのは読み込みに使うレタッチソフトのほうで、スキャナーに標準で付属するドライバーソフトのみで読み込むよりもレタッチソフトを経由して読み込んだほうがより安定した画質になるようです。

特に48bitカラーに対応していれば読み込み後のレタッチ作業の際に強めの調整を施しても画質が崩れづらくなるので、自動補正が効かないほど色カブリがひどいときなど大きく色調を変えなければならない場合に有利です。

フィルム写真をデジタル写真に見劣りしない画質でスキャンするために必要な基本事項は以上のようなものです。

他にも多くのレタッチテクニックやハードウェアの使い方などがありますが、それらについては他の優良なサイトの情報にお任せします。


つまるところ現在主流のデジタル写真と古くからのフィルム写真のどちらが優れていのかという議論はケース・バイ・ケースということで平行線をたどると思います。

ただデジタルカメラとフィルムカメラでは同じレンズを通した物理的な光の情報をそれぞれ電気信号に変換するセンサーと薬品の化学反応で像と色調を記録するという全く異なったプロセスを経て写真にまとめられます。

デジタル写真はセンサーを通して電気信号に変換された直後にデジタル変換されるため劣化要因が殆ど無い状態で記録されるという画質上の大きなメリットがあります。

一方でフィルム銀塩写真は薬剤の化学反応を利用することからどうしてもその化学反応特有の変化が画質に影響を与えます。

特にカラー写真では光の三原色の赤、青、緑の三色をそれぞれ性質の異なる物質を用いるためどうしても三色それぞれのバランスが全くとれていない状態でネガに記録されます。

なのでデジタルで読み込むにしろ、そのまま印画紙に焼き付けるにしても後から色の調節が不可欠で客観的な記録という点では曖昧になることが避けられません。

これはデジタル写真にも言えることで、一般的な画像センサーはそのままでは色の識別が出来ないのでカラーフィルターを通すことで三原色を画素ごとに分離して処理した後、画像処理エンジン内で三色のデーターを合成することでカラー画像を生成しています。

古くからのフィルム写真はもちろん意外にも最新のデジタルカメラであっても完璧な意味でその場の色味を忠実に記録できているわけではないのです。

フィルムは化学反応による画質変化と劣化が続くことが避けられない宿命ですが、デジタル画像は撮影直後にまるで冷凍するかのように鮮明な画質のまま保存できるのでより確実な記録性があります。

またデジタル写真の場合は最終的に画像を生成する画像処理エンジンの性能に大きく左右されます。

特にデジタルになってから飛躍的に進化した超高感度ISOによる撮影においても画像処理エンジンのノイズ除去性能が画質を大きく左右します。

こういった比較からデジタルとフィルムの優劣を論じることにもはやあまり意味はなく、それよりも両者の性質の違いをよく理解した上でその特徴を活かした撮影を考えるほうが賢明であると思われます。

先に述べたとおりフィルム特有の化学変化がいわゆる写真らしいとされる風味を与えることから、そういった特性を利用して最近のデジタル写真にはない独特の個性や深みを作品に与える事ができるかどうかがキーポイントだと思います。


上のお手軽サンプル写真はどれも当時普及していたAFズーム機で撮影したものです。

これらがもしMF時代の単焦点レンズで撮影していたらもう少し切れのある画質になっていたかもしれません。

デジタル写真においてもフィルム写真においても、その写し出される画質の最後の決め手はレンズの描写性能です。

当時のAFズームレンズは描写性能においてはまだまだ未熟でそれ以前の古いMF単焦点レンズに及ばないものでした。

その差が図らずもデジタル時代になってはっきりとした違いとなって確認されるようになりました。

そういったレンズの特性や個性の違いが画質に与える影響についてもまた別な機会に書けたらと思います。


PS)
フィルム写真とデジタル写真の兼ね合いについて長々と書いてきましたが、最後にまとめとして言えることは、実はアナログ技術しか無い時代にフィルム写真の潜在的な画質をすべて引き出せる術は存在しなかったために、誰も本当の意味でのフィルム写真の画質を確認できていなかったということです。

それがデジタル技術の登場でネガに記録された本当の画質に限りなく迫るレベルで引き出すことが可能になりました。

先日、NHKの戦争特番で当時の古い記録フィルムを最新の4K技術を用いたデジタルリマスターで蘇らせる試みが放送されていましたが、靄がかかったような映像が驚くほど鮮明になり戦後70年近くの歳月を経てようやく発見された新事実も多くあるそうです。

しかもフィルムに記憶された情報量は最新の4K技術をさらに上回り今後さらに高度な技術が開発された時にはさらなる発見が期待されているとのことです。

映像のデジタルリマスターもフィルム写真のスキャンも原理的には同じようなものです。

風化させてはならない悲惨な戦争の記憶も、その後に続く平和な時代の個々人の記憶も封じ込められたフィルムから真の記憶を蘇らせることが可能になるのはまさにこれからの新しい時代の技術によります。

そういった時の流れの積み重ねを感じながら新たな意識でフィルムを使うのもまた良いことかもしれません。


ここまで長い長いうんちくにお付き合い頂きましてまことにお疲れ様でした、、(^_^;)



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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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