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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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9月に入ってから夏を思わせるような暑い日差しが幾日か続いていましたが、今日になって一転、久しぶりの曇天+雨が滴る天気となっています。

おまけに風が強く肌寒い気温で早くも秋の気配が到来といった感じです。

先月末は久方ぶりの鉄活動を堪能しましたが、今月に入ってからは本来の小説執筆に向けての創作活動に意識を切り替えている最中です。

秋の季節は暑くもなく寒すぎることもなく、またアレルギーや突然の体調不良に襲われることもないので自分的にはとてもありがたい季節です。

そんな快適な秋のうちに創作活動を軌道に乗せて、自分が思い描いたとおりの作業がはかどってほしいと思っています。

ところが現実はそんなにうまくことが運ぶとは限らないものです。

自分としてはいきなりハイレベルな作品を仕上げようとは思っていませんが、それでも今までにあった無数のパターンやテーマの焼き直しコピーではなく、この先の時代に受け入れられる新しい要素を兼ね備えた作品に仕上げようというやや高い目標を掲げています。

それは今まで誰にも読まれたことのない斬新な作風ということではなく、ある意味前言と矛盾しますが、一般的に小説を通して描かれる基本的な人間模様に忠実なストーリーを描きながら、その見る角度=捉え方一つを変えるだけで全く新しい人間像を浮かび上がらせるという最も野心的な魂胆かもしれないです。

そういうわけで、自分のしがない脳みその中で連日24時間コンビニ状態?つまり寝ている最中さえも何がしかのアイディアを廻らせながら、偶然テレビや新聞、ネットで目にした情報までも小説のヒントになるかと無意識のうちにアンテナを張っている始末です。

そういう張り詰めた神経で居続けることが半ば当たり前となってしまっていますから、当然そいう習慣が身体に良い訳はなく、そういった無意識から発するストレスがただでさえ悪い自分の体調をさらに追い込んでいるという悪循環はだいぶ前から自覚しています。

最近では、あまりにも張り詰めた気持ちで考えすぎても決して作業ははかどらないことを自覚して、現時点であまり意味のなさそうな話題はスルーしたり、頭のなかでずっと考え続けても答えが出ない問題はあえて忘れるようにして自然な流れに任せるようにしています。

これまで撮り貯めたならぬ創り貯めた小説の原案の中からたった一作でもいいから、自分自身で心底納得のいく出来栄えの小説を書き上げたいというのが偽らざる本心ですが、一方で焦って完成を急いではならないという自戒も利かせています。

今は時代の意識が静かに移り変わっている時期ですから作品ごとのテーマの捉え方には慎重に吟味を重ねる必要があります。

撮影でいえば全く同じ被写体を同じ場所、同じ時刻で撮っても、どの部分に重点を置いて主題を表現するかを変えれば全く違った趣きの作品になるのと同じことです。

テーマや人間性の捉え方がぼやけたまま書き進めて、いったい何が言いたかった作品なのかわからないままで終わってしまい、結果的にボツにするか全部最初から書き直すしかない状況は出来れば避けたいものです。

ここまで言ってみると何だか行き詰まり感ばかりのようですが、それでも今取り組んでいる作品に関してはどうにか作品の核となる端緒だけは見つけつつあります。

ようは自分の内側から湧き出るイメージと方向性を信頼し集中し続けることが今の自分に最も必要なことだと思います。


自分の作品とは直接的には関係ありませんが、表題に掲げたライ麦畑とはかの有名な「ライ麦畑でつかまえて」というアメリカ文学を代表する小説作品のことです。

有名すぎて今さら説明の必要もないかもしれませんが一応自分が知っている範囲でさらっと書いておきます。

1951年にJ.D.サリンジャー氏によって発表されてからベトナム反戦時代へ至る若者たちに多大な影響を与え続け、以後21世紀の今日に至るまで全世界で読み継がれている大ベストセラー小説です。

高校を3度退学になった落ちこぼれのホールデン少年を主人公とした全編一人語りの放浪記で、時に鋭い批判の矛先を当時の大人社会に向けたり、酒やドラッグや異性など誰もが青年期に通過する暗い側面を直に取り扱ったことで社会問題を巻き起こした作品です。

今回、久しぶりに村上春樹さん訳の新刊を手元においていますが、少しだけ読み返してみても軽妙で砕けた語り口が新鮮でかっこいいですね。

世界的な名作だということで一読して置かなければという動機で読んだのが最初でしたが、実際に読んでみると舞台は第二次大戦後のアメリカのハイスクールですが、その人間性の描写は古さをいささかも感じさせないうえに、まるで昨日の自分がそうであったかのような錯覚とそれが変に生々しいリアルな感触だったことが今でも強く印象に残っています。


ライ麦畑が最も熱烈に愛読されていた当時、日本では団塊の世代のバイブルだったとして今ではみなされていますが、その主題はほとんどタイムレスで、いつの時代も十代の若者が大人という不可解な存在にぶつかりながら自らもそこに同化していくという大きな矛盾を孕んだ避けられない過程の中で再発見され続ける決して古くはならないテーマです。


自分がこの作品を読んで最後に感じたことは「えっ、ここで終わりなの?」といった唐突な終わり方に対する物足りなさと、そこからじわりと湧いてくる物語の続きは一体どうなるのかという疑問符、すなわちホールデンくんがその後どういった道筋をたどり生きていったのかといういつまでも満たされることのない好奇心でした。


ここでなぜライ麦畑を再び手にとってみようと思い立ったのかというと、はからずも自分がこれから書こうとしている小さな小説が目指すテーマが、あたかもこの作品の主人公ホールデン少年が向き合った青春時代の暗闘の先にある未来につながっているように思えたからです。

比較的最近、ライ麦畑の続編を原作者に無許可で出版したとして訴訟になったという出来事があったように、実際にこのライ麦畑を読んで少なからぬ影響を受けた人が、今度は書く側に立場を変えるとそのメッセージの続きを綴りたくなるという誘惑があるのかもしれません。

自分としてもどうやらそこは同じようですが、ライ麦畑を読んだ続きの人生に一体何を据えてみようかと問うと、自己批判や社会批判ばかりではなく真に自分自身を受け入れて肯定できる大人になれたらイイねという感じのお話になるでしょう。

創作の秋が深まるに連れて自分の中のアイディアや作品のイメージが熟して実ることを期待しています。

いずれにしても、健康状態に十分留意しながら創作に対する集中力とモチベーションが途切れないよう心がけたいと思っています。


創作活動の途中経過はいずれまたこの場所で、

ごきげんよう、さようなら。



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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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