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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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野幌駅手前の高架線上を旭川方へ走り去るL特急カムイの後ろ姿を写した何気ないスナップですが、実は超低速徐行で走っていたのでケータイカメラでも余裕で写し止められました。しかもこの直前には高架線の入り入り口付近の信号手前で完全に停車していました。どうも先行していたキハ201系気動車の普通列車に何かトラブルが発生したようで野幌駅をしばらく発車できなかったことが原因だったようです。



前回の記事でJR関連のことについて言及しましたが、こうしてみると老朽化した車両の小さなトラブルは日常茶飯事のようで、毎日の決められた運行をダイヤ通りにしっかり走らせることがもはや綱渡りのような状態であることが伺えます。

JR北海道のHP内のプレスリリース欄に掲載された再生推進委員会の議事録なるPDF資料に何気なく目を通してみましたが、概ね内容はすでに新聞やニュース等で既知のことを繰り返しているだけで目新しい物はありませんでしたが、その文面からはどうも不可解で意図がいまいちよくわからない記述も見受けられ、事態をめぐる社内外で混迷をきたしている実情も伺えます。

その中でもやはり指摘されていたのが車両の老朽化の深刻さについてで、JR北海道が保有する1,100両にのぼる車両の内、約700両が製造から20年以上が経過し取替えや何らかの修繕処置が必要と明記されていました。

つい先程トラブルを起こしていたキハ201系は1996年製の比較的新しめの高性能車両で、まだ指摘されている700両のうちには入っていませんが、その状態を見るとすでに老朽化が進行しているのは確実なようです。

鉄道車両を新製するためには1両につき約1億円から2億円程度かかることから、もし老朽化した車両全てを新車で置き換えるとなると単純に700億円以上の投資が必要になってしまいます。

線路の枕木問題をはじめ、駅舎や信号などの施設関係や橋梁やトンネルなどの土木建築関係の老朽更新も差し迫っていますから、車両だけでこれだけの安全投資を一度に行うことは難しそうです。

議事録資料でも言及されていましたが、JR発足前に国の予算と事業で施設車両双方に対して手厚く対策が実施された状況でスタートしたために当初は修繕費用がかからない状況で、その分を都市間輸送の高速化を目指した新型車両の投入に振り向けすぎたことから、今現在になってその時期に登場した車両が一斉に老朽化したことと、発足当初は十分に整備されていた線路や施設が老朽化してしまった時期が重なってしまったことが今日の深刻な事態に至ってしまった主な要因と結ばれていました。

その他にも北海道の主要産業を支える貨物列車の運行に対する負担の割合についてや、税金を投じる国家事業によって管理される道路事業を引き合いに出して、橋梁やトンネルなどの施設管理負担の在り方について暗に妥当なのかどうかという、やや押し込めたニュアンスに控えつつも主張したい旨が見受けられました。

同じJRの名を冠して日本各地の鉄道を日々運行している会社でも、もともと株式上場を果たしている完全な民営会社としてスタートを切ったJR東日本、JR東海、JR西日本と、国の特殊法人が全株式を保有し特別に設けた安定化基金の利息に頼って赤字を埋め合わせることを義務付けられたJR北海道をはじめJR四国、JR九州の離島三会社と比較すると、その経営財力の差は一般的に思われているよりもはるかに大きなものです。

言うなれば自動車会社や有名電気メーカーと並ぶ正真正銘の一流大企業と同等なJR東日本をはじめ本州三社と、地方で細々と事業を営む中小零細企業と収益規模においてはほとんど差がないくらいに脆弱な経営体質しかもたないのがJR北海道を含む離島三社です。

ですから、一概にJR東日本や他の鉄道会社がしっかりやっているのにJR北海道は全く話しにならないくらいにずさんな経営しか出来ていないと全部決めつけてしまうには少し無理があると思います。

広大な大地に点在する都市や町々の間を延々と続く無人口地帯を駆け抜けるような赤字長大路線をいくつも抱えて、しかも日本の中で最も厳しい気候条件の中で運行しなければならないという悪条件を全て抱え込んだ上で四半世紀もの間、最初から脆弱な経営体質しか与えられていないにもかかわらず列車の高速化を達成しながら全道各地を結ぶ列車の運行を続けてこれたことは並大抵の努力ではなかったと思います。

もしも鉄道以外の飛行機や船舶、あるいは道路上を行き交うトラックやバスやタクシーなど、営利目的で交通輸送に従事している民間事業者が、その足元の公共インフラである道路や橋やトンネルなどの付帯施設を含めて、さらに空港や港湾などの大型公共インフラの維持管理義務とそれらにかかる費用コストを(若干の補助金付きであったとしても)もほぼすべて自前の収益の中から負担しなければならなくなった場合、ほとんどの民間事業者の経営は成り立たなくなります。

こういった公共の輸送交通を担う事業者の中でなぜか鉄道会社だけが、その不可能に近い負担をすべて背負って運行し続けるという離れ業に近い経営を民営化が伝家の宝刀のように振るわれた時代から今に至るまでずっと継続させられています。

それはJR北海道に限った問題でなく、他の離島三会社のJR九州やJR四国やJR貨物も含めて、そして旧国鉄の赤字ローカル線を引き継いだ第三セクター鉄道や私設のローカル私鉄など日本の全ての地方鉄道事業者が抱える深刻なジレンマです。

ここで”赤字=無用の長物だから無くしてもいい”という考え方は、無理な完全民営化を推し進めてしまった時代特有の誤謬であったことを確認してみたいと思います。


そもそも鉄道事業はそれ自体単独で大きな収益を上げられる経営モデルとして成立する場合はごく限られたもので、ほとんど場合は人や物資を大量に安く輸送することで地域経済やその他の産業の利益に貢献することが第一の使命で鉄道事業自体は赤字体質であることのほうが多いのです。

そんな中でも鉄道事業自体で大きな収益を上げられる場合は、首都圏や関西圏などの超大都市圏の中短距離の通勤輸送や大手私鉄路線、または大都市と地方中核都市を高速で結ぶ新幹線など、ごく限られた例外にすぎません。

(※札幌圏などの200万人以上の人口を抱える中核都市圏の地下鉄や都市間輸送であっても実は赤字ギリギリの採算ラインで運行されているのが実情です。)

そこで鉄道事業が地域の産業や経済、そこに住む人々の暮らしの利便性に貢献した分を税収などの公共予算の中からキャッシュバックして還元することで、安全運行に必要な維持管理費用に充てるという方針はむしろ自然なことで、世界中の主要な国々の鉄道事業の経営体制を見ても施設維持を公費で負担する完全な国有鉄道や公社運営による事実上の国営鉄道の方が民営会社よりもはるかに多いのが知られざる世界の実情です。

日本の国鉄完全民営化の先行モデルケースとなった1980年代イギリスのサッチャー政権時代に打ち出された大規模な民営化と規制緩和政策の目玉事業の一つとして実施された国内の鉄道路線の完全民営化策は、他のヨーロッパ諸国に先駆けて行われた先進的な事業として評価されていたにも関わらず、1990年代に入ると事故や運休や遅れが常態化し車両や施設の荒廃が目立つなど、まるで最近のJR北海道のような異常事態がイギリス全土の鉄道で発生しました。

完全民営化による極端なコストカットと人員の急激な削減が響いたことで、もはや安全運行を続けることが困難な情勢に対して国民の大きな反発が起こり、その事態を重く受け止めた時の政府は早々にサッチャー政権時代の完全民営化方針を転換し、イギリス国内の主要な鉄道事業の上下分離化をはかり、線路や施設など安全運行にとって重要な資産の保有と維持管理を再び国が担うことにして、列車の運行事業のみを民営会社に任せることで安全運行とサービスの維持を可能なようにしました。

このようなイギリスの失敗の先例から学んだ他のヨーロッパの国々はもちろん、アジアや北米など主要な国々の鉄道事業の在り方において完全な民営化方針を積極的に採用しようとする国はほとんど現れませんでした。

ところが、こういった失敗例があったにもかかわらず鉄道事業の完全な民営化を押し進める方向を選択し、ある意味においてイギリスの鉄道事業民営化の例以上に厳しいハードルを課せられた状態に置かれていた上でそれ以上の離れ業に近い民営化を成し遂げてしまったのが他ならぬ日本の民営化鉄道会社=JRだったのです。


(※手本とすべき世界の鉄道をいくつか例に上げると、やはり一番の先進地域はヨーロッパ各国の鉄道で意外にも半数近くの国が国有鉄道のままで、その他は列車の運行だけを民営会社に任せている上下分離式の国がほとんどです。これは公共性と収益性という相反する要素を両立しなければならない鉄道事業において公共負担と民営化のメリットを天秤にかけて適切なバランスがとれる経営構造を採用した結果です。その他の国や地域では、アメリカやカナダなど北米の鉄道は民営ですがほとんどが貨物専業鉄道で一部の旅客列車や都市近郊のライトレールやコミュータートレインは主に公社が運行しています。中国やロシアは元が社会主義国でしたからご想像の通りかなりの純度の国有鉄道です。北朝鮮は三代金将軍家のさながら私有鉄道のようですが、ほぼ全ての主要幹線の電化を完成させているという知られざる先進性があります。隣国の韓国は上下分離式の公社経営でKTXなどの高速新線を建設すると軌間が同じ在来線の通勤列車や貨物列車も新線へ移行し一本化することで経営の合理化を図っています。準日本式の新幹線を導入した台湾高速鉄道は新設の民営会社ですが並行する在来線は事実上の政府所有の公営鉄道です。高速鉄道は飛行機並みのサービスと速達生をもって、公営の在来線は安い運賃と大量輸送を売りに差別化を図りながら互いに競わせることで両者とも収益を上げながら存続を図っています。)


日本の鉄道事業民営化の特徴は、高収益が見込める首都圏や関西圏、中京圏の大都市近郊輸送と新幹線を要する本州東部と西部と中部の三社と、そういった高い収益の柱を持たない四国、九州、北海道の離島三社と貨物事業をそれぞれ分離したことです。

前者の本州三社は経営の負担となる不採算部門を切り離すことになり、そのお陰で常に高収益を上げられる経営環境を維持できる名実共に民営大企業になることができた一方で、自力では採算が成り立たないことが明白な離島三社と貨物会社については国が特殊法人を介して全株式を保有することで完全な民営化を達成するまでの猶予期間を設けて負担を一部免除されることで一応の決着がなされました。それは光が当たる部分と影となる部分を選り分けることで一時の華々しい成功を収めましたが同時に文字通り明暗を分けるほどの格差を生み出す結果にも繋がりました。しかし当時は鳴り物入りで始まった民営化ブームの波にかき消されることで客観的な検証もなされないまま民営化の成功神話だけが一人歩きしはじめました。


(※JR本州三社は当初の見込みよりも好調な業績を上げる事が出来ましたが、そこで得られた大きな利益は株式市場と株主へ還元されるだけで、離島三社をはじめ第三セクター鉄道を含めて旧国鉄時代から引き継がれた地方路線へ再配分される仕組みは設けられませんでした。そのため地方路線の維持をほとんど自力と自前の借金で賄わなければならない厳しい経営環境が今なお続いています。また先の大震災で甚大な被害を受けた沿岸路線の復旧が遅々として進んでいない遠因の一つにもなっています。)


そういった玉虫色の決着がなされた状態で民営化されてから25年以上の月日が経過した今、JR北海道において噴出している多くの難問題の数々はその一部について先に長々と触れたとおりですが、スタート直後の十数年間では表面化しなかった無理な民営化のひずみがここに来て誰の目にも分かる形となって一気に襲いかかってきたという印象を感じています。


現在のような事態を招いた要因として元々ある根本的に不利な経営環境と民営化後の急激なコストカットと人員削減、相次ぐ新型車両の開発投入による都市間輸送の高速化など経営規模を越えた無理な設備投資などが上げられていますが、それらに加えて安全運行に必要不可欠な線路をはじめ重要なインフラ施設を維持するための費用と負担に対して、鉄道事業社の恩恵を預かっている地方から国全体にいたるまで日本全国の経済社会全体から十分な再配当がなされてこなかったことが上げられると思います。
 
手間暇と経費ばかりかかる鉄道事業よりも道路と自動車に切り換えてしまった方がてっとり早い、そうすれば負担も減りより一層便利になって一石二鳥という考え方がモーターリゼーションというフレーズが盛んに叫ばれていた時代以来一般的な地位を占めてきたようですが、こういった従来から浸透してきた当たり前と思われてきた考え方も、この先予想される急速な経済の縮小と財政の悪化によって早晩に成り立たない時代になりつつあります。

一見して道路と自動車を中心とした交通社会のほうが安上がりで便利なように思われていますが、日本全国津々浦々まで張り巡らされた、総延長では鉄道路線をはるかに超える巨大な道路網を維持するための巨額の負担の殆どは100%に近いくらい税金です。

それらの長大な道路網のうち一人一人がどれだけ利用してきたか否かに関わらず、全ての国民がこれまで何らかの形で一定の負担を背負ってきただけでなく、頼みの税収だけではその巨大過ぎる道路網すべてを維持できない時代にすでに突入しつつあります。

そういった厳しい財政縮小時代がやってくることを考慮すると、もはや税収だけで維持できる限界を超えそうな道路網をこれ以上拡張し続けるよりも、安全運行に必要な最低限の予算を投じるだけで自力経営で運行できる鉄道輸送に人の移動も物流も今のうちに最大限移行しておいたほうが先々において得策ではないか、それが結果的に国民全体の税負担軽減に繋がるという逆転の発想も成り立つのではないかと期待しています。


(※急激な高齢化により高齢者のドライバーが急速に増えていますが身体的理由や経済的な理由で自動車の運転が困難な人たちも急速に増えつつあります。また若い世代の人たちの車離れも徐々に進んでいることから、これまでの自動車中心の社会を改めて鉄道、バス、タクシー、自転車、徒歩を組み合わせた複合的な交通社会を築く時期が近づいていると思われます。つい先頃、女性の高齢者の運転する自動車が起こした事故で若者三人の命が失われるという痛ましい出来事がありました。こういった不幸な事故を未然に防ぐためにも自動車を持たずとも移動の手段が十分に確保されたうえでこれまでどおりの暮らしが成り立つ社会を目指すことが望ましいと思います。)


(※国鉄時代の負債があまりにも巨額だったためにそれ以後、社会的に公共事業における赤字体質という言葉のマイナスイメージだけが定着し一人歩きするようになりましたが、本当に必要な公共サービスを維持するための費用と経営上の不備から生じた損失や無駄な事業をしっかりと分けて考えるべきであり、それは鉄道以外のあらゆる公共事業にも当てはまることです。また公共事業において本当の意味で深刻な赤字問題と言えるのは、鉄道のようにある程度独立した収益事業として成り立っている分野よりもすべて公共予算で賄われている分野であって、それらの収支の結果は直接的に国の財政を圧迫し続けています。国の深刻な財政難の真の要因についても客観的に見直される時期に入りつつあります。)


 生活道路も含めた日本中のありとあらゆる大型公共インフラを維持することがますます困難になりつつあるなか地域社会の要である地方自治体でさえも必要最小限の範囲に縮減、整理されることが検討されるようになってきました。

鉄道事業の在り方もこれまで通りとはいかず、すべてにおいて再検証が要求されることは避けようのない時代の変化ですが、先に触れたとおりだからこそ鉄道の本来持っている優位性を様々な方面から見直し、もう一度それらの利点を縮小社会の中にあっても有効に活用かされるような新たな方策が見いだされることを願ってやみません。

そのためにもより視野を広げて諸外国の鉄道事業経営における成功事例を参考にするなどして民営化当初の時代に課せられた無理な経営構造を根本的に見直していこうとする機運が日本全国の鉄道事業経営のあり方において今こそ必要になっていると感じられます。

噴出するJR北海道の問題をただ情緒的に糾弾するばかりでなく、冷静に事態の根本の根を探り出し粘り強く改善策を積み重ねることで信頼される新たな鉄道会社として完全復活を果たしてほしいと願っています。そしてJR北海道一会社を超えて北海道の鉄道事業が農業、観光をはじめ全道の様々な分野の産業や地域経済全体に与えている大きなメリットを再評価し、失ってから後悔するにはあまりにも遅すぎる貴重な社会的資源を潰えさせないために全ての立場ある人たちが連携して守り抜いてほしいと思います。



追記~その1)
先日、渦中のJR北海道から発表された新たな安全化方針の中で一番残念だったことは、やはりSL列車運行の大幅な取り止めの発表でした。一趣味人として心情的に残念極まりないことはもちろんですが、社会的な意味でも大きな損失のように思えてなりません。これまで十年以上に渡って各地でSL列車の運行を継続してきた現場の鉄道員の方々や二人三脚で支えてきた関係自治体や企業の様々な人たちの努力の積重ねを”安全運行のために必要ない無駄なパフォーマンス”という無情な言葉ひとつで切って捨てるように表現された報告書を見た時は唖然として言葉を失いました。この報告書を纏めた人間はどうもこういった社会的文化事業を単に直接収益を上げられないがために無駄なお荷物としか考えていないようですが、では日本全国の鉄道会社がSL列車をはじめ直接的に大きな収益を見込めない手間ばかりかかる多種多様な観光列車を沢山走らせているのはなぜなのでしょうか。それはそれぞれの鉄道事業者が持ちつ持たれつの関係にある地域社会の中でより貢献度を上げて必要性を認知してもらう一方で、地域外の特に首都圏などの大都会に住む多くの人たちや遠く海外の人たちまで、その鉄道や地域を認知してもらう広告塔として話題を提供し注目を集める重要な役割を担っているからです。さらに、日本全国の鉄道路線で個性豊かな観光列車を走らせることで地方の鉄道全体の社会的存在価値を高めていこうとする地道な取り組みが背景にあります。それは決して一過性のブームだけで波に乗っているだけではなく、収益を大きく向上させる術のない地方の鉄道路線を存続させるために地域社会と一丸となって生き残りをかけた真剣な取り組みでもあるのです。離島三社の中で比較的安定した経営を維持してきたJR九州は経営の合理化や新型車両の導入だけでなく、今現在の観光列車の先駆けとなるようなハイレベルなコンセプトとデザインを兼ね備えた観光列車を発足直後から積極的に導入し、地域観光との連携を深めながら同時に鉄道分野以外の社会的認知度を高めていきました。そういった収益性以外の取り組みもないがしろにしない経営姿勢が評価されて企業価値を向上させた結果、民営化当初の順当な目標課題であった株式上場による完全民営化を現実のものとしつつあります。新幹線の早期開業や大きな都市圏を比較的多く持つなど環境面での格差がありますが、同じような条件と命題を与えられた中でスタート切ったJR北海道にも参考にすべきところが多いと思います。


追記~その2)
もう一つ、件の安全報告書の中で気になることがありました。それは一番問題となっている枕木の管理と保線作業の在り方に言及した項目で、列車の安全運行を維持するために最も重要な分野である保線作業について、何か具体的な対応策が決められたのかと思いましたがそうではなく、保線作業の重要性について駅構内などでパネル展を開き一般大衆に向けてそのことをアピールすることで保線に携わっている作業員の方々に向かってエールを送ってもらうようにするとありました。えっっ、エールを送るようにしてもらう!?常に上から厳しいコストカットを要求され熟練した技術の伝承が途絶えて何事もうまくいかない保線現場に向かって外部からエールを送るだけで山積する課題を解決できるとは到底思えないのですが、、、安全対策の検討自体が混迷を深めている事がこの一文からも覗えますが、それにしてもなぜ足元の線路がグラグラした状態を差し置いたままで新型の車両を導入することばかり固執するのか、なぜ全体から見れば僅かな区間しか開業しない北海道新幹線に対して自前の車両を投入し総合車両基地まで持つ必要があるのか、新函館には最低限の折り返し用駐泊施設だけを設置し列車の運行は100%JR東日本に任せて線路施設使用料を払ってもらい、その分を全道の傷んだ線路の枕木交換など安全対策に充てようとしないのか、わずか40両の新幹線車両を維持管理するために大きな総合車両基地を設置して専門の組織まで立ち上げて札幌開業時まで必要のない大きな負担を新たに背負い込んでしまったのか、その分の数百億円に上る設備投資費用で例えば新函館~東室蘭の在来線電化と軌道強化をはかり、首都圏や関西圏から札幌までスルー電化を完成させて貨物列車の運行効率向上と速達化をはかり、同時に在来線特急を新幹線開業で余ったスーパー白鳥用電車で置き換えることで老朽化が深刻な振り子ディーゼル特急の安上がりな削減に繋げるなど、将来三セク化されて道に経営移管された時にも生きてくる現時点で最も有効と思われる一石三鳥の投資策に活用できなかったのか、さらに新幹線が札幌まで開業しても高度な安全基準が求められる新幹線の運行は経験、技術、財力すべて豊富に備わったJR東日本に任せて線路使用料を徴収しそれらを全道の主要路線の更新維持と立て直しのための恒久的な財源としたほうが北海道全体の経済にとってよりハッピーな結果に結びつくのではないか、そもそも利用客にとっては北海道新幹線を運行する会社がJR北海道でもJR東日本の”どちらでも同じJR”であり、きちんと安全、安心、安定運行さえしてくれればそのどちらであっても差し支えはない、むしろ国内で初めて高速の新幹線と重量級の貨物列車が入り混じって運行される青函トンネル区間の3線軌道の難しい管理など、より信頼性のある方に任せて万一の大事故が起きないようにしてくれることが一番大事なことである、、、などなど疑問や提案を一度にすべて挙げ始めたらキリがありませんが、とにかく今の深刻な現状を見ていると、たとえ外野の一個人の戯言にすぎないとはいえ、何か言えることがあるならば今のうちに言っておいた方がいいのでないかと思ってしまいます。これまで無数に繰り返されてきた玉虫色の決着と、そのたびごとに醸成されてきた無責任なバラ色の未来ビジョンがいつの間にか人々の心理に際限なくはびこり、それはとうとう大勢の人たちが同時に夢想的な集団思考停止状態に陥るところまで至ってしまったのではないかと真面目に危惧されます。身の丈を越えた夢物語はいずれ破綻へ突き進むことは歴史の数多の先例が教えてくれる重い教訓です。かつての拓銀破綻のように北海道の貴重な経済資源である鉄道事業全体が自己崩壊の瀬戸際に立たされる前に本気で立ち直って欲しいと切に願っています。

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HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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