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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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はたして新戦力になれるかどうかはこれからのテスト次第なのですが、、、


また、近所のお店で拾ってきてしまいました、、(汗)


お値段ワンコイン500円+税なのでダメ元でも殆ど損はしません。


ガラクタ箱の中で眠っていたものですが、少し知っている人なら「おっこれは」と思う機種なので、動作不良でも諦めるつもりで買って帰りました。


各部をよく清掃し、古い緑青の生えた電池を取り出して端子を磨き、予備の電池を入れてみるとおもむろに動き出しました。

最初は液晶の表示が不安定だったりしましたが、電圧が安定してきた頃には電源を入れると同時にレンズが繰り出し、各種モード切替やストロボON、OFF、ファインダー内表示も生きており、シャッターもちゃんと切れました。

あとは巻き上げがスムーズに出来るかどうかだけですが、これは実機にフィルムを装填しテスト撮影を繰り返してみなければ分かりません。




リコーR1sというフィルムコンパクトカメラです。

とても薄型のシンプルなデザインが特徴で、フィルムカメラというよりは最近のコンパクトデジカメのような印象です。この薄型ボディの中にフィルム巻き上げ機構やオートフォーカスまで詰め込んだ実装技術は当時高く評価されました。





一見すると写ルンですをちょっとゴージャスにしただけのような、デジタル全盛となった今ではほとんどの人たちが素通りして見向きもしない類のカメラですが、この手のシンプルなカメラは侮りがたい意外な実力を秘めている製品が多いのです。

30mmF3.5というありきたりなスペックの広角単焦点レンズを搭載した何の変哲もなさそうなコンパクトカメラですが、多少大げさな言い方をすると、広角スナップに関してだけ言えば、同時代のAF一眼レフカメラの広角ズームを軽く凌駕するほどの画質力を備えています。

その詳しい理由は後半の追記か何かでウンチクしようかと思いますが、とにかく気軽なスナップ撮影においてとても有用なカメラなのです。

90年代なかばくらいの製品で色々なカラバリがあったようですが、この拾ってきた個体はシルバーモデルで、前面のパネルのみアルミプレス成形の金属製で、手に取った時にヒンヤリとした質感が伝わって意外なくらいに高級感があります。

また、このカメラが登場した時代を感じさせるのは、当時お約束だったパノラマモード切り替えスイッチが背面に付いていて、フィルムを入れると中からは見られませんが、写真の上下を狭めるための遮蔽板がせり出してきて擬似的に横長のワイド画面が撮れるという大変優れた発想(笑)のアナログ的機能が実装されています。

この実際に使うかどうかは微妙なパノラマ撮影モードがついているかどうかで販促に影響したようで、当時はとにかくパノラマモードが付いていることを口実に買う人や売りこむ店が多かったそうです。

何だかデジカメ時代になってからの画素数競争にも似ている状況ですが、そういった製品の優劣を分ける解り易い指標が付いている方が、多くの一般ユーザーにとっては判断の好材料になって売る方にも買う方にも都合が良いのでしょう。さらに最近では光学50倍といった超高倍率ズームの搭載が流行っています。

このアナログ最終年代を席巻したパノラマ機能ですが、このリコーR1sにはもう1段本格的な隠し玉的な機能が内蔵されています。

P(パノラマ)モードの先にもWIDE[P]モードという項目があり、そこにスイッチを移動させると、飛び出していたレンズがいったん引込み、すぐに再びせり出してきます。

この時、内部ではいったん収納されたレンズの内側に別なレンズが滑り込み、焦点距離が30mmからよりワイドよりな24mm相当のレンズに”変身”します。

遮蔽板を繰り出して上下幅を狭めただけの”なんちゃってパノラマ写真”ではなく、レンズの撮影範囲そのものをワイド化した上で横長の写真にする、一段本物に近いパノラマ写真を撮れるようにする凝ったギミックです。

広角スナップ撮影にはこだわりを持っているリコーのカメラらしい仕様と言えます。

わざわざそんな凝ったメカを搭載して30mmと24mmの切り換え式にしなくても、普通の3倍ズーム仕様にすれば事足りるのではという指摘は野暮というものです。

広角単焦点レンズであることが大事な肝で、コンパクトカメラに搭載できる小型のズームレンズとした場合、画質は一気に落ちて先に述べたように一眼レフを凌駕するような広角写真を撮れる画質力は失われます。

画質の芯はレンズの性能で決まるという原則を理解して重んじるミドルユーザー向けの、分かる人にだけその良さを分かってもらえれば良いという潔いコンセプトの製品です。


今から十年ほど前のデジカメ普及期の製品には超広角撮影のための2つ目のレンズを備えた製品など、各社から個性的なモデルが相次いで登場した楽しい時期でしたが、今となってはより厳しくなったコスト制限とデジタル処理の高速化によって、物理的なレンズ部にコストのかかる凝ったギミックなどは搭載せず、画像処理エンジンの後処理で加工するだけで済ませてしまう製品が殆どになりました。

デジカメ黎明期からフィルムカメラ末期まで遡れば、カメラの基本となるレンズやボディの作りに十分なコストをかけた妥協のない製品がたくさんありました。

そういった少しだけ前の古き良き時代もひとたびコストダウン競争に飲まれてしまえば、そのジャンルにおいて、価格に対して十分すぎる品質と内容を備えた製品がひしめき合うように登場する”黄金期”はもう二度とやって来ません。
 
 






ここまでR1sの概要とその魅力についてお伝えしましたが、あとはこの個体が果たして実使用に耐えうるのかどうかを確認するだけです。

各部の清掃と動作チェックを繰り返し、遮光部のモルトを張り替えて、あとはフィルムを装填するだけです。





さきほどフィルムを装填して二回ほどシャッターを切って巻き上げ機能が正常に動作することを確認しました。

深刻な動作異常は無いようなので、このままテスト用フィルム一本を無事に撮りきることが出来れば晴れて新戦力認定となります。

以前に紹介した機械式一眼レフカメラも絶賛稼働中ですが、直感露出+デジカメアシストによるマニュアル撮影はその都度ごとに神経を使う撮影となるので、たまにはケータイカメラのように気軽な気持ちでシャッターの切れるコンパクトフィルムカメラが欲しいと思っていました。

今回のR1sはそういったカメラの2台目となりました。

デジカメもケータイカメラも存在しない時代にAFで広角スナップ撮影が楽しめるコンパクトカメラの登場は画期的な出来事だったと思います。

デジタル主流となった今でも、写真撮影の源流であるフィルムによる手軽なスナップ撮影の魅力は衰えること無く一定のニーズが存在します。

ところが、これからフィルム撮影を始めたいという比較的若い層の写真愛好者のニーズに適した製品は、一部のインスタントカメラやトイカメラを除いて、新品の製品は皆無で中古市場の中から探しださなければなりません。

どこのリサイクルショップでもジャンクコーナーに様々なフィルムカメラがガラクタ同然の扱いで山積みされていますが、これらの中にいまだ機能が正常で使えるモデルも多く紛れ込んでいる上に、今回のR1sのように見る人が見ればそれなりに貴重な価値あるモデルでも殆どただ同然の値段で手に入れることができます。

この先、フィルムで撮影したいという人が増えても、そのための道具である使用可能なフィルムカメラは時間の経過とともに確実に減っていく運命にあっても、よほどのブーム再燃現象でも起きない限り新たな製品として増えることはないでしょう。

今はガラクタ同然の扱いしかされていないフィルムカメラも、稼働できる良品の数は確実に減っていくわけで、ほんの少しの修理で復活できるものも多いです。

ジャンク中古品は外れを引く確率も高いのであまりお推めはしませんが、ただ捨てられてしまう個体を出来るだけ救出することは、それなりに意味と価値のある行為ではないかと考えています。

今年の前半から思い立ったように始めたフィルム撮影回帰ですが、いまだにその特性を活かした自分なりのスタンスを模索しているところです。

撮り終わって現像したネガの読み込み鮮度を向上させることも課題です。

鮮明で確実な写真を撮るためならデジタル主体の方が色々な条件で理にかなっているわけですが、デジタルではなかなか出せない雰囲気のある写真を撮りたい場面ではフィルムカメラを手にします。

今回のR1sで撮影した結果も含めて、現像と読み込みを終えた写真から少しづつ公開できたらいいなと思います。
  
  

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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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