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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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今日の道新の朝刊にカシオペア、はまなすの廃止検討の記事が掲載されていました。


以前から予想されていたこととはいえ、あらためてその事実を突きつけられると、こみ上げてくるものは大切な存在を毟り取られるような怒りの思いしかありません。

北斗星、トワイライトエクスプレスは”老朽化”という伝家の宝刀を振りかざしなりふり構わず問答無用で切り捨てられてしまいましたが、日本全国、遠く海外からも大きな潜在需要が存在するにも関わらず、どうして更新のための費用を出そうとしないのか、もっと疑問に思うべきです。

ヨーロッパのオリエントエクスプレスを始め、世界の由緒ある伝統の客車列車は100年前の当時の客車を十分な修繕を繰り返して今も現役で走行しています。

エンジンやモーターといった動力源を持たないシンプルな客車は繰り返しの更新で非常に長い期間にわたって走行することが可能なのです。

もうかなり以前の話になりますが、2000年代はじめに青函トンネルを走行していた快速海峡用の50系客車が中国の遊覧鉄道用に輸出されるために、苗穂工場で整備を受けたことが道新の記事に載っていました。

この客車は残念ながら先方の都合でキャンセルされ、留置先の苫小牧港で解体処分されてしまいましたが、道新の記事においてインタビューに応えていた当時の苗穂工場の技術責任者の方が語った弁によれば、車齢の進んだ客車でも適切な更新修繕を繰り返せば最長で50年近くは安全に走らせ続けることが出来ると自信を持って語られていました。

それから十数年後の安全運行を揺るがす事態に至った経緯を考えると、この時すでに安全運行に必要不可欠な適切な修繕のための費用を、利益確保のためのコストカットという大義名分に流されるように削られ始めていたのかもしれません。

当時の技師長のインタビューは深刻化する内情を何とか外部の人に婉曲的に訴えるための苦渋の思いが込められていたのではないかと察します。

鉄道を一つの文化事業として人々の間で振興する姿勢について日本は諸外国に比べて一歩も二歩も立ち遅れているのが現状です。

ドイツ、イギリスなどヨーロッパの各国やアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの鉄道先進国では、各地に本線走行を行う本格的な保存鉄道がゆうに日本の数倍の規模と数で点在していますし、そこではSLや内燃電気機関車を始め多数の歴史的な客車も同時に保存運行され、その地域の近代歴史を伝える大切な文化財として、同時に外部から多くの人たちを呼び込める観光集客施設として活発に運営されています。

日本はかつて動力近代化を達成した1970年代に惜しまれながら引退していったSLたちを各地の公園などに大量に静態保存しましたが、それらの多くは後年に解体処分された一部を除いて今でもその姿を見ることが可能です。

そういった静態保存されたSLの中から動態復元された車両が今、日本全国の路線で運行され多くの人達を昔日の汽車旅の世界へ誘っています。

ところが、SL現役当時の歴史的な客車編成は単なる付属物として扱われたため、ブルートレイン以前の古い戦前から続く日本の鉄道独自の客車編成は、皇室車両のような特別に貴重とされた車両などを除いてことごとく大量に処分されました。

そして今、残されたブルートレインや平成生まれのカシオペアでさえなかば無用の廃棄物と見なされて最終的に処分されようとしています。

一般に歴史的文化財として認知されたSL本体よりも後ろに牽かれる客車のほうが遥かに希少な存在になっていることに一般の社会は未だに気付いていません。

SL以上に希少になっているといえば、SLを引退へ追いやった動力近代化の旗手である内燃電気機関車やその時代と地域を代表する電車や気動車も同様な状況で、本州では盛んに保存されるようになってきたとはいえ、そのほとんどは象徴的な先頭車のみの保存で編成単位の生きた状態で運行されている例はごくほんの僅かしかありません。

SL以外の歴史的な名車両の生きた勇姿を見続けながら時に乗車したいという多くの老若男女のニーズに日本の鉄道社会は十分に応えることが出来ていないのが現状です。

SLから電気、内燃へといたる動力機関車の進歩と、鉄道が走るそれぞれの国々の歴史と生活風土が密接に関わりながら反映した旅客車両の形態文化はそれぞれ対になる貴重な歴史文化遺産であるという認識が、アジア一の鉄道先進国であるはずの日本においてもっと今まで以上に根強く定着されることを望みます。
 
 
赤字を盾になりふり構わず田舎の駅を廃止したりSL観光列車を削減するなど、そして根強い需要や新たなニーズがあるにも関わらず、利用客の要望に応えることを一方的に放棄しながら発表された本州連絡寝台列車の完全廃止の検討ですが、その替りとなる北海道新幹線自体が大幅な赤字に陥る可能性や、JR東日本が運行する東北新幹線との収益分担が一体どうなっているのかなど、本当に重要な情報がことごとく隠蔽されてマスコミを含めてどこも追求しようとしないところに不信感が募ります。

経営の厳しいJR北海道とJR四国に向けて老朽化した設備を緊急に補修するために国の税金予算から積み立てられた総額で1,000億円以上の助成金によって、問題になった線路やコンクリートが剥がれ落ちる高架橋やトンネルは後回しで、災害で被災した路線の復旧工事にはまったく割り当てられず、もっぱら札幌都市圏と特急用の新型車両に投じられる現状にも激しく疑問を感じます。

JR北海道向けのみならず札幌市営地下鉄用車両など北海道新幹線も含めて神戸のK重工にほとんど全てに近い大量発注している実態などからも、老朽化した地方の鉄道のインフラを維持するというのは実は半分以下の建前に過ぎず、実際は特定の企業に対する官製の利益誘導と見なされても仕方のない在り様です。

来年の北海道新幹線開業後に在来線特急のスーパー白鳥用789系が大挙して札幌圏に転用される予定ですが、同時に札幌と新千歳空港を結ぶエアポートカムイから789、785系が撤退することで特急用電車の必要車両数がそのままでも余る計算になります。

785系の老朽化置き換えとして活用するという理由で今のところ落ち着いていますが、先日の青函トンネル内での異例の発火事故からも覗えますが、デビュー以来、海底トンネル内の高塩分の湿気にさらされてきた789系の方が電気系統の老朽化は著しく、一方で車齢が高いとされる785系の方は近年にモーターと電気制御系一式すべてを新型車両と同様のものに交換されているため、青函トンネルを走り続けた789系よりもかえって785系の方が状態は良好かもしれません。

狭い車内の特急用車両がいつも満員の空港連絡快速列車として無理に運行され続けていたことは問題ですが、785系や青函用789系の車内の座席を一部撤去して内装構造を大きく見直すなどして出来る限りの混雑対策を施した上で、停車駅の少ない快速列車用として活用するなど新車費用の抑制活用策は出来ないものなのでしょうか。

僅か3年ほどの間に同一系列の通勤用電車が100両以上一気に投入されたことはJR北海道においては発足以来いまだ前例のない規模の出来事でしたが、短期間に大量投入した車両群は今後15年先には一斉に電気系統の老朽化と更新の時期を迎えてしまいます。

一方で同じ時期に投入したより高価な北海道新幹線用H5系は高速走行による激しい摩耗と東京~新函館北斗間の長い走行距離により15年以内に早くも老朽廃車の時期を迎えます。

2030年前後の北海道新幹線の札幌開業時前後には老朽車両の大量更新と新幹線車両の増備と取り換えの時期を同時に迎える計算になりますが、これらに対応する財源の確保をはたして責任ある偉い立場の人達は今からちゃんと考えているのでしょうか?

同じ時期に大量に新車を導入することは将来的に一斉老朽化のリスクをもたらす結果になることから、既存の車両を更新しながら上手に長持ちさせて新型車両は小刻みに導入することで将来的なリスクを分散する計画は、同じく経営環境の脆弱な離島会社のJR九州やJR四国は長年に渡り実践していることです。

老朽化した古い車両を一度に数百両以上の単位で一斉に交換出来る鉄道会社は、首都圏を擁するJR東日本と国に頼らなくとも自前でリニア新幹線まで建設しているJR東海くらいなものです。

関西都市圏と山陽新幹線を擁するJR西日本でさえ地方のローカル線区を多数抱えていることから、新型車両の導入は慎重な計画に基づいて小刻みに行われ、第一線で活躍する既存の古い車両に対しては、社内でN40体質改善工事と呼ばれる古い車両を一旦全てバラバラに分解して新車同然にリニューアルするという大規模な延命更新工事を施すことでバランスのとれた車両導入計画をおよそ20年前から実施しています。

ひるがえってわれらが地元北海道の零細鉄道会社はエンジンやモーターが火を噴くまで使い倒され、まだ使う見込みのある車両でさえも、昭和年代に製造されてからほとんど一度も大規模なリフォーム工事を受けないまま可哀想なほどボロボロな状態になるまで走り通し、長年地域の人々と会社経営の両方に貢献してきたにも関わらず、また日本の鉄道史に残すべき歴史ある名車でさえも最後は廃棄物同然にあっさりとスクラップ処分するという徳の無い会社です。

まだ深刻な老朽化が始まる直前の2000年代に入った時期に、見栄で他のJR各社が羨むような高性能車両や奇抜なだけで実用性の全くない新技術とやらを矢継ぎ早に開発するのではなく、長距離特急用の負荷の大きい旧式エンジンを徐々に環境対応の小型低燃費なものに交換していたら、先日惜しまれながらも引退した赤い電車やそれよりも先にリタイヤしたL特急ライラック用の781系電車など、もしもJR西日本と同様に完璧な延命工事を施工していたなら、また一方で青函トンネル用の連絡特急を経営に格段の余力があるJR東日本の運行にすべてを任さて乗り入れ料金を収入源として新型車両導入コストを抑えていたなら、さらに北海道新幹線も自前の車両と運行設備を持つことを札幌開業時までお預けにして待つ勇気ある決断ができていたなら(せめて自前の車両を持ったとしてもJR東日本にリース貸出し扱いにして大規模な運行設備まで無理して揃えなければ)まだまだ人気と新たな需要が期待できる本州連絡寝台特急列車を廃止させず新幹線札幌開業時まで温存できていたかもしれず、あわや大惨事の人命に関わる脱線炎上事故や取ってつけたような理由ばかりで地方の路線や地域にとって大切な駅を無闇やたらに廃止しまくるような不幸な事態はまったく起こっていなかったかもしれません。


ここまで事態の経過を振り返ってみると個人的に言いようのない悔しさで忸怩たる思いですが、ここまで事態が悪化してしまった後では失ってしまったものたちを取り戻すには時既に遅過ぎて、せめてそこまで至らせた本当の要因と向き会わずに都合の良い言い訳だけで臭いものに蓋をしたまま放置させず、しっかりと因果関係を糾明してそこから教訓を導き出し今からでも悔い改めるべきものは改めて、同じ過ちを再び繰り返すことのないための善処が責任ある人達の手によってなされることを期待するしかありません。
 
大量に投入された新型車両と肩を並べて製造から20年以上を迎えた既存の車両も札幌都市圏の通勤輸送の第一線で活躍中です。JR発足最初期に投入された721系グループは電気系統の老朽化とデッキ付きの車内の混雑が弊害になっていますが、それらの改善工事が2000年代後半から徐々に始められましたが今は休止されたまま全く手を付けられていません。

札幌都市圏の寒冷地に対応した通勤輸送スタイルを確立した731系も目に見えて老朽化が進行している様子が素人目にも確認できる有り様で、これらの車両グループの老朽化が今後の安全運行の新たな障害となるような予感がして利用者として普段から乗車していて思わず心配になります。

これらの第一線で活躍しながら老朽化が進行している車両の修繕に相変わらず予算が優先的に回されていない理由は先に触れたとおり、単なる老朽化の修繕工事では車両メーカーを始め大企業の利益にならないからではないかと思われます。
 
聞きあたりの良い一聴して説得力の有りそうな、もっともらしい理由付けや大義名分による分厚い建前の壁の裏側で、うず高く積み上げられた利権の山から最大限の利潤を吸い取ろうとする政官財の癒着関係の影があまりにも色濃く見え隠れしています。


最近、最も世間を騒がせて今日になって取り下げた某パクリ疑惑ロゴマーク問題にしても、世界最高峰のスポーツの祭典という美辞麗句の建前の後ろ側で取り交わされるグレーな合意さえあれば、最終的に偽物であれ本物であれどちらでも良かったのではないかと思われます。

あの宇宙船チックな屋根の費用の問題にしても、奇抜過ぎるデザイン案を設計した世界的に著名なイラク人女性建築家の費用算定不足として片付けられていますが、本来の設計段階の費用の10倍近い額に水増しされたとして裁判になっているようです。

もうマークの問題にしても屋根の問題にしても利害の関係ない人たちの中から公募して、これ以上、尊敬に値するアスリートたちの競技に対する取り組みに泥を塗ってほしくないというのが多くの人達の率直な思いではないでしょうか。

専門分野の競技場の設計は建築家に任せるほかありませんが、ことマークに関しては大人の世界の小汚い利害関係が一切入り込む隙のないように、日本全国の小中学生に書いてもらったデザイン案の中から一般投票で選んだほうがより公平で良いのではないかと思われます。
 
今日のカシオペア、はまなす両寝台列車の廃止の報からオリンピック問題まで至った長ったらしいウンチク記事の最後に言いたいことは、余りにもキレイでご立派に描かれた建前だらけのハリボテ社会の表の顔と裏の本音のえげつないほどのモラルの欠如が人間社会においてごく当たり前の当然な習慣として、そうではないまっとうな大多数の人々によって無条件に追認され受け入れられてきたことに対して、もっと強く疑問の意識を持つべきではないかということです。

 
世の中が都合よく定めた建前だけの常識にただ従順でいることが成熟した社会人としての美徳のように信じているとすれば、それはあまりにも飼いならされた存在に成り下がってしまったということに、これまでしっかりとした信念を持って地に足をつけて生きてきたと胸を張れる人ほど気が付いてほしいと思います。
                       
               
           

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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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