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何でも、人口60万人のワシントンに200万人以上集まったようでこの辺りでいえば、札幌市の全人口でも足りず江別、石狩、恵庭、北広島など札幌圏の全人口と同じくらいというところでしょうか、ちょっと想像つきませんが (;^_^A
中継が始まってまもなくブッシュ(親父)、カーター、クリントン元大統領夫妻や各界の著名人などが入場して、その中にブッシュ前大統領の姿ももちろんありました。全員が出揃ったところでミッシェル夫人と娘たちが現れて、少し間をおいて最後にオバマ新大統領が入場しました。間は飛ばしますが、ミッシェル夫人が手に持ったリンカーン大統領が実際に使用した聖書にオバマ新大統領が左手を置き、右手をかざして宣誓していました。そのあと、ソウル歌手の歌やクラシックの演奏が続いたあといよいよ大統領就任演説が始まりました。(以下、つづく)
就任演説ということでけっこう長い演説でしたが思わず聞き入ってしまうような印象的な演説でした、これは夜更かししてでも見た甲斐があったと納得できる内容です。内容の詳細については新聞などに載っているので感想だけ述べますが、まず第一に新しい未来を見据えた理念がしっかりと貫かれている内容がすばらしいと思いました。一部の富裕者や成功者にとって都合の良い社会から、勤勉で誠実に働いてきた大衆にとって良い社会を目指すことを明言し、そして個人の行き過ぎた欲望を否定し多くの人々がより良く生きられる社会になるために一人一人が責任を持って貢献することを強調していました。そのうえで過去の戦死者にも言及し、そういった人々も含めて無数の名も無い大衆の努力と犠牲の上に今日のアメリカの栄光があると結んでいました。
具体的な政策において目立った点は、今まで経済をリードしてきた石油業界や金融業界、失速した自動車産業から環境産業や電気産業へ経済の柱を大胆に転換することを宣言したことです。これはアメリカのみならず世界全体の経済の流れを変えてしまうほどのインパクトがあることだと思います。先の金融恐慌を引き起こした金融業界、石油高騰を引き起こした石油業界、先端の需要に対応する努力を怠り恐慌のあおりをもろに受けて瀕死の自動車業界など、昨今の失業と格差の原因を生んだこれらの既存産業に変って、環境産業を将来の基幹産業に据えるべく全く新たに立ち上げることで雇用を創出しアメリカ経済の復活を図るというものです。
これは一国利益優先主義の転換と合わせてアメリカが環境重視政策を全世界に向けて展開していくということを意味しています。そういった大規模な変革が言葉どおりに実現可能かという疑問が当然わきますが、もし懸念されているとおり既得損益が優先して変革が中途半端で終わった時はアメリカ経済が停滞し続けることを意味するわけですから、おそらく政権のみならずアメリカ全体をあげて死に物狂いで変革を為しえようとするのではないかと思います。昔からアメリカには一つの方策が行き詰まると、まったく異なった角度からすばやく再起を図る方策へ転換する力があります。そういった比類なきリカバリー力が超大国アメリカだけが持ちえる強みなのかもしれません。
日本も否が応でもアメリカの変革に合わせて対応しなければならない立場にあるわけですから、いち早く環境産業を国内で立ち上げて雇用の創出をはかり、合わせて環境産業における世界市場の主導権を握るために政官民が一致して早急に対策にあたるべきです。日本は現時点で世界最高レベルの環境技術を持っていますが、市場で主導権を取れなければあっというまに取り残されてしまうでしょう。過去にも日本が先端技術を持っていながら市場対策で遅れをとってそのまま主導権を失ってしまった例がいくつもあります、環境技術においてもその轍を踏んでしまったら今後日本の経済に新しい光は見出せなくなるでしょう。この期に及んで既得権益や既存の産業構造にしがみついて安穏としているようでは本当にお先は真っ暗闇になってしまうでしょう。
もう一度繰り返しますが、オバマ大統領の就任演説はすばらしいものでした。歴代のアメリカ大統領の就任演説で初めて明言された核の削減、人種や宗教を超えた平和と人権に対する宣言、中でも印象的だったのは黒人差別の歴史に触れて「かつて私たちはあなたたち(白人)と一緒のレストランに入ることができませんでした、それがいまや最も神聖なこの宣誓の場に私が立っていることがアメリカの夢が叶ったことを何よりも現している」と語った時、オバマ大統領は一瞬言葉に詰まり目に光るものが見えたような気がしたと同時に多くの黒人の観衆が涙を流していたことです。
今回の就任演説は単にアメリカ一国だけに向けられたメッセージではなく、これからの世界全体を改めて定義するような宣言だったと思います。これからの困難な時代に立ち向かう勇気と理念に満ち溢れたまさに希望の言葉の集大成でした。リンカーン大統領が愛用した聖書に手を置きオバマ大統領が宣誓している姿を重ねて演説の内容を読み返して見ると、新約聖書の「初に言葉があった、言葉は神と共にあった、言葉は神であった。」という有名なフレーズを思い出しました。本当の意味で困難な世界変革への道のりはこれからであり、まさに今日の演説からその道のりが始まったばかりで言葉だけで何かが成されたわけではありません。しかし、全ての希望はその言葉の持つ力から始まるのであり、真実な言葉には人の意図を超えた力が宿ることをぼくは信じています。
ぼくにとってアメリカの大統領就任演説をリアルタイムのテレビで見たのは初めてですが、久しぶりに良い意味でアメリカらしい光景を目にした気がします。またこの見事なスピーチ原稿をまとめたのは27歳の若者だったそうです、それと比べるべくも無いですがぼくとほぼ同世代の人がまとめたということに親近感を感じます。これからの時代は困難でもぼくのようなしがない若者も含めて若い世代が頑張って新しい時代を切り開いていかなければならないという思いを新たにしました。
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発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。
写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s
「目指す場所があるからいつだって頑張れる!」