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北海道の鉄道とか写真の話題など、、、日々の徒然を独り言のように細々と発信してみるブログ。小説作品執筆中。
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先の日曜日に投開票が終了した選挙に関連して感想などを書いておきたいと思います。

興味のない方はスルーできるように、内容は後半のリンク先で書いておこうと思います。


即日行われた投開票の結果は大方の予想通り現職の高橋はるみ知事の勝利でした。

今回の選挙は新人の佐藤のりゆき候補との一騎打ちということで自分の一票をどちらに投じるか悩みました。

考えて出した結論は現職の高橋はるみ知事に一票を投じることでした。

一番の理由は三期十二年を務めた実績と経験から、これから大きく変化し始める環境に置かれる北海道の将来を現実的に託せる人だと思ったからです。

二番目の理由は争点となった脱原発に関する姿勢として慎重な立場を堅持していることです。

急進的な脱原発を訴える佐藤候補に対して、もしも北海道の発展のために積極的な原発推進が必要不可欠という姿勢を高橋知事がはっきり明言していたら、ぼくは現職候補に一票を投じることはしませんでした。

脱原発に関しては佐藤候補が訴えていたように即廃炉に向けて決断を下してほしいという考えですが、現実的には今すぐに廃炉の決定を下せたとしても、実際に泊原発を廃炉にさせるには最短でも40年という膨大な月日を必要とします。

その間の大きな負担をどうすべきかという議論は全国的にもまだ始まったばかりで先行きは不透明です。

再稼働を推進すれば負担が減少するという説はもはやありえない虚像で、福島原発の未だ絶えることのない惨状からも分かる通り、絶対の安全性を確実に実現するための対策費用が総額でどれほどに上るのかは未知数です。

道南の人たちにとってより切実な対岸の青森県の大間原発問題についても、いざとなった時に30Km圏内の函館市を中心に30万人以上の住民が被害に遭う可能性が高いことから、少なくとも青森県側の住民と同じだけの十分な保証と対策を受ける権利があると思われることからも、建設と運転の是非については青森県側と対等の議論の場に北海道側も参加する必要があるように思われます。

今すぐには誰も解決しようのない原発関連の根深い問題以上に北海道の近い未来に向けてのビジョンが今回の選挙戦から力強く伝わってくることはありませんでした。

佐藤候補が掲げる全道の179市町村に新たに一社づつ株式会社を設立して経済を活性化するという方針も今一歩現実的な理解を得ることが出来ませんでした。

厳しい不況の時代に官の後押しを受けて一斉に設立された新会社が5年後、10年後に179社全てが生き残ることが出来るのか、もしも大きな負債を抱えて短期間で倒産が相次いだ場合は一体誰がその責任と負担を背負うことになるのか、それぞれの市町村で新たに設立された会社の業種が既存の企業と競合することはないのか、もしそうなった場合に既存の会社が潰れたり反対に新しい会社の方が立ち行かなくなったり、最悪共倒れとなりかえって地域の経済を悪化させる事態に陥るという想定はしてあるのかなど、より具体的な説明がなされなければ賛成とも反対とも判断がつかない方針に今すぐ賛同することは出来ませんでした。

一方で高橋知事が進める外国人観光客300万人誘致を目指す方針や道内特産品を海外に輸出する方針は現状では一定の道理にかなった方策のように思われます。

道民の夢とされる北海道新幹線の開業が間近に迫っていますが、高橋道政の延長がなされたことで早速札幌までの延伸前倒し方針が早くも打ち出されたことは想定されたことで意外ではありませんでした。

巨大な公共事業が途中の段階で決して中止されない理由の一つは、その出来上がったものが途中までの段階では予期した利益や効果を上げることが叶わないという問題にあります。

函館までの開業では建設にかかった費用や新幹線を運行するための高いコストを運賃収入だけで十分に賄うことが出来ないからです。

暫定開業の期間が長引けば長引くほど累積の赤字額が積もり運営会社の経営を圧迫していきます。

札幌までの開業を実現し飛行機の需要の一部を新幹線利用に振替えることに成功してはじめて事業としてのスケールメリットを活かすことが出来るようになります。

もしも札幌までの延長開業が何らかの理由で叶わなくなった場合、北海道新幹線の既開業区間は日本でも有数の赤字鉄道路線に転落する可能性さえあります。

そうなれば北海道全体の鉄道路線の経営に深刻な影響を与えることは想像に難くありません。

個人的には北海道新幹線は無理をしてまで作る必要があるのかという懐疑派でしたが、もう出来てしまったものは元に戻せませんし、かかった費用を返してもらうことも出来ないことから、好む好まざるにかかわらず、また個人的な賛否の思いを通り越して既に答えは明確だと思っています。

ここからは選挙に関連した話題から世界の情勢についての話題へ急展開しようと思います。


今世界では前例のない政治経済両面の地殻変動が起きていて、それが近いうちに現実化した場合はこれまでの方針では対応しきれない事態に直面するかもしれません。

一時期世論を二分するほどの勢いのあったTPP参加問題についても、今回の選挙戦では思ったよりも熱い議論の的にはならなかったようです。

実は最近の世界情勢においてTPP問題はすでに昔話のような急速に過去の事案になりつつあります。

アメリカを中心としたアメリカ流の社会経済制度を受け入れた新たな自由貿易経済圏への参加の是非という問題でしたが、世界中の国々が権利を限定された枠組みを嫌い、全く個別の二国間協定を結んだり、より現実的な相互利益を中心とした柔軟な貿易関係が好まれるようになってきているからです。

その流れを最も象徴する出来事が今年の三月に確定したアジアインフラ投資銀行AIIBの設立発表でした。

日本は土壇場で参加見送りを決めましたが、主に中国を中心としたAIIBにロシアを始めインドやブラジルなどのBLICS諸国、大小様々な190ヶ国、さらにドイツ、フランス、イギリスなど欧州主要国、オーストラリア、ニュージーランド、おとなりの韓国なども期限ギリギリで参加を表明しました。

今後さらなる発展が見込まれるアジア各国のインフラ建設整備事業をAIIBによりアジア中心の出資金で賄うことが出来るようになることで、より円滑に経済発展を図れるようにすることがその主な狙いのようです。

日本はAIIBと同様の機能を持つアジア開発銀行を主催していることからAIIBへの参加見送りを決めましたが、新設されるAIIBが競合するアジア開発銀行よりも優位な立場になり、もしそうなった場合、今後のアジアにおけるインフラ建設市場から日本の企業が締め出される可能性もあることについて主に経済界から懸念の声が上がっています。

AIIBの設立に関して表向きはアジアにおける建設市場の問題として取り扱われていますが、この世界的にはまだ大きいとはいえない開発銀行の設立が、世界的にはより大きな始点で歴史的な転換点になりうる出来事として一部で捉えられています。

それはAIIBの設立がアメリカを中心とした金融制度に依存しない形で実現するこれまでにない世界的な市場を形成することに繋がって行くからです。

これまで100年以上にわたって世界で唯一無二の超大国として存在感を誇ってきたアメリカの巨大な経済力に頼らない新たな世界経済が生まれるかもしれないと言われています。

ソ連が崩壊し冷戦が終了してから超大国アメリカ一国を中心としたグローバル経済体制が築き上げられましたが、その流れが今後急速に転換し再び世界はアジア中心の全く新しい経済圏を中心とした新旧の二極化と、その新しい経済圏の中での限られた強国の主張を一方的に課せられ、大きな犠牲と絶え間なく続く重い負担を敷いられることのない、多様で対等な経済関係の構築を目指した超多極化の時代へと進みつつあります。

こういった全地球規模と言っても過言ではない急速な時代の変化を推し進めているのは、世界中の国々の政府や機関、地方の自治体が膨大な負債を抱えすぎて、もはや何も打つ手がないほど追い込まれている現在の窮状から揃って抜けだして新しい経済的な展望を獲得したいという全世界の国々の総意なのです。

選挙についての話題から一気に世界規模の内容へ飛びましたが、現時点ではまだ日本の国内の一地方にすぎない北海道に何の影響も見受けられませんが、ごく近い将来にこのやや平和ボケ気味と指摘される日本の国内にも世界的な変化の大波の影響が及んで来た時に、全ての情勢が一夜にして変わっていることさえ想定しておかなければ対応しきれない時勢になりつつあります。

これらのことは取り分けて新しい情報ではなくネット上のニュースとしてはよく知られた話題です。

例のように日本国内のマスコミは世界で起きているこういった水面下の大変化を大きく取り上げようとしません。

これまでとなんら変わり映えのしない時間の流れが続いているようでいて、その静かな水面の薄層一枚下では複雑な水流どうしがとぐろを巻くように絡みつきあいながらうねりを上げて強め合い打ち消し合ったりを繰り返しているのです。

それは冬のオホーツク海に打ち寄せる流氷の光景に喩えるならば、遠くから見る限り一様な氷雪原がどこまでも平らに広がっているようにしか見えませんが、一歩近づいて氷塊の上に乗ったなら、大小様々な雪と氷の塊が不安定な海流に乗せて互いに打ち寄せて乗り上げたり沈み込ませたりしている様を目撃した時のようです。

これまで絶対安定した強固な足場だと思われていたあの氷塊もこの雪原も、また巨大な一塊のように思われていた大きな氷山もゆっくり溶けながら分解を始め、そして一番強大で並び立つ者の存在しえなかった東西の洋をまたぐあの孤高の大氷山帯でさえも、先行きの全く読めない未知の海流の上を頼りなく浮き沈みしながら漂うその他大小の存在と何ら同じに過ぎなかった事実に世界中の人々が気づきつつあります。

これから起こる、いいえ、それはすでに一部で実際に起きている地球規模の大き過ぎる変化は、この東洋の小さな島国の片田舎の一地方にでさえ想定を越えた影響を与える、大きなパラダイムシフトを起こさせる威力を秘めています。

幾度か繰り返していますが、心ある人や然るべき立ち位置にある人は単純に備えをしておくべき時期に入っていると思われます。

地方選挙と世界情勢という一見して全くスケールの違う話題をあえて同じテーブルの上で取り上げてみました。

それらは互いにかけ離れているようで、この広大なように思われていても実際はずっと狭くて小さい地球社会という同一平面上で、そこで等しく流れ続ける時間とスケジュールの最中で、そのどちらも密接に影響し合いながらリアルタイムで同時に進行している歴史的出来事なのです。

その変化の大波は一地方の社会情勢を通り越して、やがて一人一人の個々人の生活やライフワークにも少なからず微妙な影響を及ぼすようになります。

選挙期間という普段はごく普通の人々が身近に意識しない社会情勢を考える機会として、さらに少し視野を拡大して世界の情勢についても合わせて一体的に考え直してみることも十分に意味のあることだと思います。



PS)
最後に触れる話題として一段とスケールダウンしますが、今年の1月に起きた低気圧の通過による土砂崩れの影響で長らく不通となっている日高線の復旧について、選挙戦の直前に高橋知事は国や国交省と折半して地元の負担なしに早期の復旧を実現すると明言していましたが、その公約を是非実行してもらいたいという考えも一票を投じる動機となりました。復旧には抜本的な対策が必要で10億円の費用がかかると試算されていますが、その費用の負担だけを理由に100年以上地元住民の交通の足として利用されている日高線の存廃を決定してしまうという些か粗暴な議論で終始してほしくはありません。ふるさと銀河線の時以上にもっと丁寧な議論をもって、願わくば積極的な有効活用策を見出す方向に進めてほしいと思います。日高線は距離こそ長いものの沿線の人口は比較的多く、サラブレット競走馬の産地特有の風景と太平洋岸の絶景の組み合わせという日本全国を見渡しても他にはない風光明媚な観光路線としての優れた資質を兼ね備えています。ローカル線の維持費用の負担は全国的な問題として各地で取り上げられていますが、その大きな理由の一つとしての利用客の減少ばかりではなく、国鉄民営化時に課せられた地方路線運行の費用負担のあり方における長年に渡る歪みが隠れた理由として上げられます。国鉄の分割民営化によって、膨大な利用客を擁する首都圏やその他の大都市圏の通勤路線や東海道新幹線など主要新幹線が稼ぎ出す莫大な利益の一部を地方路線に公平分配する仕組みが無くなりました。これが第三セクター鉄道を含む旧国鉄以来の地方路線の経営ハードルを一段と高める結果となりました。民営化前よりも厳しい運営コストの制限を課せられることで利用客減少に歯止めをかけるための対策や設備の更新に十分な費用をかけられないという悪循環を生じさせています。新幹線の新規路線が開業するたびに並行する在来線が都道府県ごとに負担する第三セクター鉄道に移管されてきましたが、これらの地元住民の生活の足として不可欠な路線の負担は年を追う毎に増加しています。いずれそう遠くない時期に常時大きな黒字を経上する都市部の鉄道路線と、慢性的な赤字経営に苦しむ地方路線の経営格差を縮小するための方策を、再構築させる議論が国を上げて取り組まなければならない状況になりつつあります。それまで一定以上の時間がかかりますが、これまでの現状では維持するだけで精一杯だった地方路線に対しても、新たな視点による活性化策に再投資できる環境が整えば息を吹き返す可能性が十分にあります。地方と都市部の格差を埋めるための公平な利益再配分の仕組みづくりを阻害する一つの大きな要因が手厚すぎる株式配当の仕組みにあります。毎年大きな収益を得ている大企業の利潤のうちの僅か数%でも出資金として募り基金を設立し、経営体力のない地方路線や鉄道会社の設備更新費用および災害時復旧のための費用の一部を負担する仕組みを設けることで、日本全国のより多くの地方鉄道路線を存続させる強力な後押しをすることが可能になります。ちなみに世界の主要な国々の鉄道路線は直接国が経営しているか線路設備の維持に関しては、道路や空港などと同様の公共インフラとして国の機関や公社を通じて維持管理の上で運行しているのが普通です。ここまで厳しい鉄道の自立運営を課している国は世界中でも日本しかありません。国が定めた仕組み自体を変えることは至極難しいことですが、時代が大きく移り変わることと同時に、これまで顧みられることのなかった新たな方策に光が当てられることを予期してこの話題を終わりにしたいと思います。本分追記ともに長く込み入った話題に最後までお付き合いいただき誠に有り難うございましたm(_ _)m



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プロフィール
HN:
鈍行翼
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1982/05/07
職業:
エア作家/にわか写真家
趣味:
鉄道と写真ともろもろ・・・
自己紹介:
バセドウ病罹患者(勝手に寛解中)。

発病から10年以上経ちましたがようやく沈静化へ向かいつつある今日この頃。同時に人生の在り方を模索し続け小説という創作物に結晶化することを日々の生業とする。写真撮影は豊かな創造性とニュアンスの源泉です。

写真撮影の友:PENTAX K10Dと愉快なオールドレンズたち。
コンパクトはRICOH GX-8、R10、ケータイカメラCA006
フィルムカメラはPENTAX SPF、RICOH R1s、GR1s

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